2020年2月、スズキがインドネシアで発売した「XL7」というSUVをご存じだろうか。
日本でいま、もっとも需要のある「コンパクトSUV」に分類されるボディサイズであり、SUVらしいタフなスタイリングをまとったMPVとして、日本でも売れそうな匂いがプンプンする仕上がりとなっているクルマだ。
本記事ではこの「スズキ XL7」についてご紹介するとともに、日本への導入の可能性などについても考察していく。
文:吉川賢一
写真:SUZUKI、Mercedes-Benz
【画像ギャラリー】日本導入熱望!! スズキの海外専売車をギャラリーでチェック!!
SUVライクなコンパクトMPV
インドネシア市場では、SUVに負けず劣らず、MPVセグメントの人気があり、新車販売台数全体の3割以上をMPVが占めるという。
そんなインドネシアに、スズキのインドネシア子会社であるスズキ・インドモービル・モーター社(SIM社)が投入したXL7(エックスエルセブン)は、SUVのデザインと、MPVの利便性を融合させた3列シート7人乗りのクロスオーバーMPVだ。
力強いフロントフェイスや、張り出しの強いフェンダーモールなど、SUVらしいタフなスタイリングをもつクルマで、2列目シートと3列目シートの多彩なシートアレンジと、ゆとりのある室内空間が特徴。SUVのスタイリッシュなデザインを持ちながらも、MPVの使い勝手の良さをアピールしたことで、幅広いユーザーの獲得を図っている。
このXL7は、インドネシアを皮切りに、インドなど、他の地域でも販売される予定だという。インドネシアは左側通行の国であり、右ハンドル仕様のクルマが作られている。そのため、日本市場への輸出も、可能性はゼロではない。
3列はちょっと窮屈か
ボディサイズは、4450×1775×1710(全長×全幅×全高mm)、ホンダヴェゼル(4340×1770×1605)よりも、11センチ長く、10センチ背が高い程度の大きさだ。ホイールベースも2740mmとコンパクトなため、最小回転半径は5.1mと、かなり小さい。
しかし、この車体の中に、3列分のシートが収められていることから、室内は、ちょっと窮屈さを感じると思われる。
パワートレインは、1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン(105ps/138Nm)と、5速ATもしくは4速ATの組み合わせ、駆動方式はFFのみとなる。軽量かつ高剛性のプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を組み合わせたことで、優れた動力性能と、燃費性能を実現している。
ちなみに、XL7は、インド市場のマルチスズキが販売している同型のSUV「XL6」をベースとしている。ただし、XL6は2列目シートがキャプテンシートとなっているのに対し、XL7ではベンチシートとなる。その他の違いはあまりなく、XL7はXL6よりも5mm長く、10mm高い程度の差だ。
XL7の車両価格は、232,000~267,000インドルピー(約332万円~386万円)という、なかなかの高級MPVだ。
コメント
コメントの使い方XL7との違いはホイールなど一部ですがなくはないです。カローラクロスの三列シート版のような立ち位置、シエンタとも戦えそうですね。ウィッシュやストリーム、アイシスなど他社からの乗り換え需要も狙えそうです。