どんなに注意していても、一度や二度は遭遇してしまう車のパンク。最も確実な修理法はタイヤを新品に交換することだが、今や「テンパータイヤ」の替わりに、パンク修理キットを装備している新車がほとんど。
また、割安な『外面修理』を選ぶことも可能だ。でも、それらの修理では、“直したつもりのパンク”が、直っていない危険性がある!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:shutterstock.com
気づいた時点でダメージ進行! 恐るべき「内部損傷」
まず、前提として『パンクに気づくことは非常に難しい』という現実がある。実際、タイヤにクギが刺さってパンクし、空気圧が適性値の半分以下に減った状態でも、即座に気づくことは至難の業。
往々にして「外からタイヤを眺めて、初めてパンクに気づく」ケースも多い。
つまり「気づいた時には、もうパンクはかなり進行している」場合が多いのだ。そして厄介なことに、専用の修理剤で穴を塞ぐ外面修理で空気の漏れは止まったとしても、実はタイヤ内部が壊れている可能性がある。これが『内部損傷』だ。
内部損傷は、空気圧が下がることで、普段、路面に接地していないタイヤの側面がたわみ、その状態で走るにつれてタイヤ内部の温度が上昇。やがて、タイヤの内部に深刻なダメージを与えるという現象。
パンクの外面修理は2000~3000円程度と割安な反面、タイヤ内部に負ったダメージは直せない。
では、内部損傷したタイヤで走り続けるとどうなるのか? タイヤ製造メーカー最大手、ブリヂストンの広報部は「あくまで一般論」としたうえで、次のように答える。
「(内部損傷が起きると)タイヤを“支える能力”がなくなります。荷重がかかるので、タイヤのサイド部がスポンと抜けてしまったり、少しずつタイヤがバラバラに分解されてしまうこともあり得ます」
つまり、外面修理でパンクを直したと思ったタイヤが、走っている途中に、突然バラバラになることも起こり得るのだ。もし、それが高速道路上で起きたら……考えただけでも恐ろしい。
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