最も優れた“今年の車”で話題。スバル 新型レヴォーグは、歴代最高と名高いレガシィを越えた? 絶賛の理由と本当の評価とは。
2020年12月7日、1年で最も優れたクルマを表彰する、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の大賞に、スバルの新型レヴォーグが選ばれた。その評価を裏付けるように、10月15日の発表時点で公表された先行予約は8290台に達し、ワゴン人気が衰退するなか確かな評価を得ている。
新型レヴォーグは通算2代目となるモデル。同車は、レガシィが大型化し、日本市場に合わなくなったことから日本のユーザー向けに開発されたモデルでもあるが、果たして史上最高との呼び声も高い、かつてのレガシィに届いているのか。
自動車評論家でCOTY選考委員でもある国沢光宏氏が解説する。
文/国沢光宏、写真/スバル、撮影/池ノ平昌信
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今年の“イヤーカー” 新型レヴォーグの原点=レガシィはスバル黄金期の象徴
今年の日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)は、新型レヴォーグに決まった。60人いる選考委員のうち、26人がレヴォーグに満点を投じ、27人はレヴォーグに2位の点を付けている。
自動車に対し格別な造詣を持つということで選ばれた60人のうち、53人も今年1番か2番目に優れたクルマだと評価したのだから素晴らしい。
果たして新型レヴォーグ、それほど魅力的なクルマなのだろうか? ちなみに私は満点の10点をGRヤリスに投じた。厳しい企業平均燃費規制(CAFE)始まるなか、本格的なハイパワーモデルをラインナップできた点を高く評価した次第。
新型レヴォーグは8点としたけれど、クルマの仕上がりという評価軸だとレヴォーグが今年No.1とも思う。
さて。スバルファンにとって大きなテーマになっているのは「4代目レガシィから乗り換えたくなるようなクルマがない」ということのようだ。
2003年に発売された4代目レガシィ、スバルにとって初のCOTY受賞車になるなど良いクルマだった。思い返してみれば、スバルというメーカー、1989年に初代レガシィが出るまで、他メーカーと比べ見劣りした。
レオーネ時代、最後こそ一部にOHCを投入したものの、他メーカーじゃ“はるか昔”に消え去ったOHVを主力エンジンとしていたほど。
時代に乗り遅れないよう投入したターボもインタークーラーなく、出力低く、ターボラグ大きく、がちゃがちゃ賑やかで驚くほど燃費悪い。それをイッキに最新スペックとしたのが初代レガシィである。
初代レガシィで何とか時代に追いついたスバルは、ここから信じられないほどの猛ダッシュを開始!
毎年の如く改良を加え、2代目のマイナーチェンジで当時2L最強の280馬力ツインターボまで作る! バリエーションモデルとして出したインプレッサも改良を続け見事WRCを制覇! スバルの黄金時代が始まった。
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