歴代最高のレガシィ路線に「回帰」した初代レヴォーグ
集大成となるのが4代目レガシィ。2代目でやっと絞り出した280馬力だったけれど、4代目になると低速トルクやレスポンスまでバッチリ対策できた。
1989年にデビューしたEJ20型水平対向エンジン、WRC(世界ラリー選手権)で鍛えられ、気がつけば280馬力など余裕。車体の軽量化も進み、アルミのボンネットまで採用し3代目から強くて軽くなっています。
当時の勢いを維持したら、ドイツ車に並ぶような奥行きのあるクルマになると期待されていたほど。
しかしアメリカを向いた結果、大きく安っぽくなった5代目になり、多くのスバルファンは愕然とする。私もその1人。4代目まで全て乗っていたけれど、5代目を見た瞬間「やめた」。レガシィの流れを完全に断ち切ったと思う。
そんな5代目はアイサイトで評価を上げ、アメリカも大ヒット。スバルにとってドル箱に育つから面白い。
ただ、4代目レガシィのオーナーにとって「乗り換えたいクルマ」がなくなった状況は続く。レガシィを失った人達に対する提案が初代レヴォーグである。確かに良いクルマだったけれど、スバルファンからすれば物足りなかった?
電動化も視野? 新型レヴォーグは4代目レガシィに届いたか
ということで今回のテーマである「新型レヴォーグは4代目レガシィに届いたか」ということだけれど、結論から書くと「新しい世代の始まり」と感じている。
詳細は今までの新型レヴォーグ詳細記事とバッティングするから省くけれど、車体骨格こそインプレッサを使いながら、徹底的に手を加えてきた。もはや別モノと言えるレベル。
ステアリングギアボックスやブレーキのシステム、ダンパーなどクルマとしての基本構成要件をケチらず、日本車としてはダントツのスペックとしている。技術を統括している藤貫さんによれば「まだやりたいことがあります!」。
初代レガシィの時と同じくらい伸び代があるという。そんな発展途上の状況でCOTYを取ったのだから素晴らしい。
私が厳しい評価をしている電動化技術なしのパワーユニットも、遠からずモーターを組み込んだ新世代のシステムになっていくことだろう。エンジンの前後長を思い切って短くしたのは、モーター組み込むスペースの確保です。
そもそもエンジンだって熱効率を徹底的に追求しており、パワー的に近いマツダのSKYACTIV-Xに実用燃費で並ぶ。
テストコースやサーキットで試乗した時も「いいね!」と思ったけれど、一般道はさらにステキだった。
ZF製のダンパーからくる上質かつ滑らかな乗り心地や、コスト掛けたステアリングが創り出す安定感。そしてレベルの高い新世代アイサイト等々、褒めるべき点はたくさんある。クルマ全体の評価で言えば4代目レガシィを凌ぐ。
とはいえ新世代スバルのクルマ作りは始まったばかり。1989年の初代レガシィと同じだと考えればいい。これからドンドン改良され、レベルアップしていくと思う。
スバルから離れていた人達も、遠からず「六連星(むつらぼし)」のエンブレムがハンドルに付いているクルマに戻る日がやってくるような気がします。
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