2020年9月29日、日産はリーフをベースとした、災害復旧支援を目的とした電気自動車のコンセプトカー「RE-LEAF」を欧州で発表した。災害時により簡単に電気を取り出せるように取り付けられた耐候性の高い電気ソケット、高められた悪路走破性など、自然災害による停電被害下で大活躍しそうな「RE-LEAF」、市販化もアリなんじゃない!?
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※本稿は2020年11月のものです
文/永田恵一、写真/NISSAN
初出:『ベストカー』 2020年12月10日号
■災害時における電気自動車の活用を想定した「RE-LEAF」
台風をはじめとした自然災害による停電が増えている昨今、電力供給ができるプラグインハイブリッドを含めたハイブリッドカーに対する注目が高まっている。
そんななか、日産は欧州で量産EVのパイオニアであるリーフに、災害復旧支援に役立つ機能を盛り込んだコンセプトカーとなる「RE-LEAF」を発表した。
野球のリリーフピッチャーなどで使われる「救援」を意味するリリーフも思い出させるRE-LEAF。
その車両製作はイギリスを拠点とするエンジニアリング&モータースポーツ会社のRJN、プロジェクト管理はGTA Global Ltd.が担当。
なお、「RE-LEAF」の「RE」は災害対策における緊急対応(emergency REsponse)、人道支援(humanitarian REcovery)、コミュニティの強靭性(REsilience)という3つの「RE」に由来している。
■災害復旧支援のため機能は大きく分けて3つ
現行リーフにおいて標準サイズとなる40kwhの駆動用バッテリー容量を搭載し、イギリス仕様のリーフでは最上級となるテクナグレードをベースとしたRE-LEAFが災害復旧支援のため、持つ機能は以下の3つの分野に分かれている。
ひとつ目は電力供給だ。
RE-LEAFは左右フロントフェンダーに耐候性外部コネクター、ラゲッジスペースに3つのコンセントを装備し、電気を多用途に使えて40kwhの駆動用バッテリーを搭載したリーフが満充電になっていれば一般家庭約3日分の電力を供給可能だ(一般家庭の1日分の電力消費は約12kwh)。
ちなみに、災害時に必要なものでは電動削岩機を24時間以上、100WのLED照明を2週間以上稼働できる。
ふたつ目は災害復旧支援活動に必要な装備の搭載だ。
RE-LEAFは装備の搭載のためリアシートを取り外し、フロントシートとラゲッジスペースをケージにより分離。
広くなったラゲッジスペースには災害復旧支援活動に役立つ32インチモニター、引き出し式デスク、通信機器が搭載される。
3つ目は悪路走破性の向上だ。
代表的なところでは最低地上高を40kwhのリーフに対し75mm高い225mmに上げ、フロアを保護する専用アンダーガードを装備し、タイヤも225/65R17サイズのオールテレインタイヤ(銘柄はBFグッドリッチのBaja)に変更。
さらに全幅もベースとなる現行リーフの1790mmに対し、オーバーフェンダーの装着によってフロント1830mm、リア1890mmに拡幅されている。
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