普及するのは20XX年?? 電気自動車の夜明けと最重要課題

普及するのは20XX年?? 電気自動車の夜明けと最重要課題

 菅義偉総理大臣の所信表明で、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロとする目標が掲げられた。これを受け、経済産業省がクルマの電動化へさらに大きく踏み出そうとしている。

これまで、電動車両の占める割合を2030年までに50~70%とするとしていた政府目標から、2030年代半ばには100%とする意向へ替わった。

文/御堀直嗣
写真/トヨタ、ホンダ、日産、三菱、BMW

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■EVは新車販売の僅か1%未満

日本は世界的にも早くから電気自動車の販売を開始。三菱自動車は2009年、i-MiEVを法人や自治体向けに投入した
日本は世界的にも早くから電気自動車の販売を開始。三菱自動車は2009年、i-MiEVを法人や自治体向けに投入した

 日本は、1997年にトヨタが世界初の量産ハイブリッド車(HV)であるプリウスを発売して以降、2009年には三菱自動車工業がi-MiEVを、2010年には日産自動車がリーフをというように電気自動車(EV)の市販へも動き、世界的に電動化への動きは素早かった。

 ところが、2000年以降欧州が力を注いできたディーゼルターボエンジンの普及に水が差された。

 2015年のフォルクスワーゲンの排出ガス偽装問題に加え、2021年からの二酸化炭素(CO2)排出量規制の強化により、欧州は電動化の動きを急ぎ、EV導入も小型車のBMW i3や、プジョー e208などから、大柄のSUV(スポーツ多目的車)であるメルセデスベンツEQCやアウディe-tron、またGTカーのポルシェ タイカンまで、積極的になっている。

欧州の自動車メーカーは着実にEVのラインアップを広げている
欧州の自動車メーカーは着実にEVのラインアップを広げている

 これに対し日本は、日産がリーフを2代目へモデルチェンジしたほかは、ホンダが今年になってホンダeを発売し好評を得ているものの、リチウムイオンバッテリーの生産に制約があって初年の販売台数はわずか1000台にとどまる状況だ。

 マツダは、2019年の東京モーターショーで初のEVとして公開したはずのMX-30をマイルドハイブリッドで市販し、EVは年明け2021年1月以降の導入となる。

 以上のような国内自動車メーカーのEV導入の遅れにより、昨2019年の国内新車販売台数のうち、HVは4割弱を占めるが、EVはプラグインハイブリッド車(PHEV)と燃料電池車(FCV)と合わせても1%以下という寂しい状況にある。

 2021年には日産からアリアが、またその後には日産や三菱から軽自動車のEVが導入される予定だが、最大手のトヨタからは超小型モビリティの話も含め、EV導入の情報は途絶えている。

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