SUVはまさに百花繚乱状態となっているが、そのなかでもトヨタ、いや日本を代表するSUVといえばランドクルーザーだ。
ランドクルーザーは中古車になってもあまり値段が下がらず、現行モデルのランドクルーザーも人気だが、今回スポットを当てたのが、ランドクルーザー80、60、70。
最近、こうしたちょっと古めのクラシックランドクルーザーの人気が出てきているからだ。
さて、ランドクルーザー80、60、70の中古車はいったいいくらいで売っているのか? 中古車事情に詳しい萩原文博氏が解説する。
文/萩原文博
写真/トヨタ
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ランクル80系/1989年12月~1997年12月
2007年に登場し、ロングセラーとなっている現行モデルのランドクルーザー200も、2021年秋には新型モデルにスイッチするというニュースはすでに本サイトでも紹介している。
しかしランドクルーザーは新型が出ても先代モデルの値落ちが進まないという点が特徴で、さらに年式の進んだ中古車も固定ファンがいるため、魅力が色あせることはない。
そのうえ、最近では専門店がオールペイントやカスタマイズしたクラシックランドクルーザーを求めるユーザーが多くなっている。
そこで、今回は1989年に登場した80系、1980年に登場した60系。そして1984年〜2004年というロングセラーとなり、2014年〜2015年に期間限定で復活した70系のクラシックランドクルーザー3モデルの中古車事情について迫ってみる。
80系ランドクルーザーは1989年〜1997年まで販売されたモデル。従来のランドクルーザーの硬派なイメージから、外装は曲面構成として「最高級マルチパーパス4WD」に相応しいモダンな造形となった。
インテリアも外観同様曲面で構成された近代的なイメージのインパネに大型のスイッチ屋メーターを配して、乗用車感覚の操作フィーリングを実現した。
ラダーフレームを採用しているものの、サスペンションは従来の板バネからフロントはリーディングアーム式、リアが4リンク式のコイルサスペンションに変更され、オフロードの走破性を向上させると同時に乗用車感覚の乗り心地を実現させた。
4WDシステムも一部グレードを除いてフルタイム4WDとなり、まさに現在のランドクルーザー200のルーツが80系と言えるモデルだ。
搭載するエンジンは4L、直6ガソリンをはじめ、4.1L、直6ディーゼルターボ、4.1L、直6ディーゼルの3種類。
1992年のマイナーチェンジで4Lガソリンエンジンは4.5Lへと変更。OHVからDOHCとなり動力性能が大幅にアップした同時にATも電子制御となり、燃費性能が向上した。
1995年のマイナーチェンジでディーゼルターボエンジンが排ガス規制強化に対応したタイプに変更された。
80系ランドクルーザーの最新のオークション価格の推移を見てみると、3ヵ月前の2020年10月の時点では約126万円で、現在は約120万円とほぼ横這いといえる動きとなっている。
しかし、販売店に並んでいる中古車の平均価格は約224万円とオークション価格から100万円も高くなっているのだ。
80系ランドクルーザーの中古車の流通台数は約210台と約30年前に登場したモデルとしては非常に多いが、価格帯は80万〜600万円と非常に幅広く、高値をキープしている。
500万円以上のプライスを付けた中古車はカスタマイズされたものだが、1996年の最終型は現在でも400万円という驚異的な残価率となっている。
年式では1993年式以降が中心で、グレードでは都市部でものることができるガソリンエンジンを搭載した4.5VXリミテッドが多くなっている。
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