全国的に発令されつつあるコロナ禍による緊急事態宣言。3密を避ける、消毒、換気など普段の生活でもこれまで以上に感染対策を徹底する必要がある(この困難を一緒に乗り越えましょう!!)。
そんな緊急事態宣言。不要不急の外出自粛も含まれているが、初売りや3月決算に向けてクルマを買いたいという消費者も多いはず。もちろんディーラーも例年どおりの販売を進めたいはずだ。
いったいこの緊急事態宣言下でディーラーはどのような対応をしているのか、そして自動車販売台数の行方はいったいどうなるのか。販売現場の実情をお届けします。
文:遠藤徹、写真:AdobeStock
【画像ギャラリー】2020年師走の販売台数を伸ばしたのはあのメーカーだ!!
■基本的な接客方針は「ニューノーマル」を維持
東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県に新型コロナウイルス対策のための緊急事態宣言が発令された。期限は2021年1月8日から2月7までの1カ月間(編註:2021年1月14日には新たに7府県に緊急事態宣言が追加された)。
この影響と対策は新車ディーラーにも新たな対応が迫られている。2020年末の11~12月における年末セールは新車販売がプラスに転じ、今後に明るい兆しが伺えていた矢先だけに、大きな痛手になりそうな状況となっている。
首都圏4地区でここ最近、どのような対策を取っているか各店舗を回ってみると、各社の苦悩が垣間見ることができた。週末を中心に各店舗を回った限りでは、ユーザーの出入りはそれほど減っておらず、終日比較的ショールームの各テーブルは埋まり商談風景は賑わっているようにも見えた。
まずショールームの自動ドアを開き、中に入ると、応対する営業マンにアルコール消毒を勧められる。なかには非接触式温度計を額にあてられ、正常な体温か検温をしてから応対を受ける店舗もある。
ショールームに入ると通常では女性スタッフが、喫茶のメニューを差し出し、コーヒー、お茶、ジュース類の注文を取るのだが、コロナ禍ではそれを全面的に停止したり、ペットボトルの提供に切り替えている傾向だ。
年末には喫茶を復活させ、コーヒーの付け出しでお菓子やせんべいを提供したりしていたが、緊急事態宣以降やめるところも出始めている。テーブルは透明のアクリル板で仕切られているので、営業マンとの商談での対話は聞き取りにくい面があり商談の進行に多少支障が生じているようだ。
ただよく観察するとテーブルのアクリル板の仕切りは、すべて設置されているわけではなく、全席数の半分程度のショールームもある。メーカーが販売会社に配布しているが、全テーブルに配置する分まではないようである。
営業時間は午前10時から午後7時までの店舗がほとんどだが、緊急事態宣言下では、閉店を1時間短縮し、午後6時に切り替えているところもある。
各店舗の立地は幹線道路沿いにまとまった自動車街を形成しているのと、ばらばらの設置といろいろある。自動車街の場合は他メーカー系列店でも、合わせて一斉に同じような対応をしている傾向があるようだ。
週末フェアでショールームが思いのほか賑わっているように見えるのは、来店客のなかに、定期点検や車検で訪れるユーザーが相当数含まれているためもあるようだ。
緊急事態宣言下ではもう少し営業時間の短縮をすべきとの声が販売会社にもあるようだが、定期点検、車検のユーザーを考慮するとできないといった事情もある。
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