【C-HR、ライズなどに続々搭載!!】「流れるウィンカー」の歴史と利点

 日本語では「連鎖点灯式ウィンカー」といわれる、「シーケンシャル(sequential=連続的な、続いて起こる)ウィンカー」。

 以前のターンランプはバルブが主流だったため、連続的に点灯させることが困難だったこともあり、デコトラや一部のカスタムカー向けでしか見かけることがなかったが、LEDが登場したことでこれが可能となり、近年ではあちこちで見かけるようになった。

文:吉川賢一、写真:トヨタ、ホンダ、ダイハツ

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シーケンシャルウィンカーの歴史、構造

 日本では、2015年10月登場のレクサスRXに初めて純正品として装着された。

 その後、トヨタC-HRやレスサスRX、LX、ホンダN-BOXカスタムなどへも搭載され、一気に認知度が上がったようだ。ちなみにアウディA8には2010年ごろから搭載されていた。

2020年1月販売台数で1位になったライズにもLEDシーケンシャルウィンカーが搭載されている

 シーケンシャルウィンカーに使われているLEDランプは、消費電力が少なく、長寿命であることから、ヘッドランプやウィンカーには理想的な素材だ。

 LEDチップは特性上、正面しか照らすことができないため、従来の光を広範囲に拡散できる白熱電球の特性に近づけるよう、シーケンシャルウィンカーでは複数のLEDチップを様々な方向へ向けて配置し、リフレクターで前方に照射している。

 LEDは、ひとつひとつのサイズが小さく、ヘッドランプの上端や下端に設置がしやすい。

 また、光の流れの速さや個々の点滅のタイミングといったライティングアクションも、自在にコントロールができるため、LED化でデザインやライティングアクションといった自由度が飛躍的に上がった。デザインや光らせ方の設計は、各メーカーの腕の見せ所となっている。

C-HRのLEDシーケンシャルターンランプは細く流線を描くようなデザインになっている

 しかし、いくらシーケンシャルターンランプが流行しているとはいえ、車両のコンセプトを考慮せず、すべてのクルマに採用するといったセンスのなさが見えると、ダサくもなりうる。

 自動車メーカーは、車両ごとに採否を考える必要があるのだ。

そもそも道路交通違反じゃないのか?

 シーケンシャルウィンカーが放つ、キラキラビカビカとした光の流れは、後ろを走るクルマにとっては迷惑になりかねない。

 2014年、「連鎖点灯式」のウィンカーに関する道路交通法が改正された。その条件とは、

  • ・LEDの流れ方は左右対称であること
  • ・LEDは点灯後、全てのLEDが点灯するまで点灯し続けること
  • ・全てのLEDは同時に消灯すること
  • ・LEDは垂直方向に反復して点灯しないこと
  • ・LEDの点灯は内側から外側に向かって点灯すること、または中心から放射状に広がって均一的かつ連続的に点灯すること
  • ・点滅周期は毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅すること
  • ・他の全てのウィンカーの点滅周期と同じであること
ロッキーに搭載されているシーケンシャルウィンカーが点灯する際の流れ

 さらには、ウィンカーの規定で、

  • ・色と明るさが橙色であること
  • ・他の交通を妨げないこと
  • ・前後から100メートル、左右から30メートルの距離で点灯の確認ができるようにすること

という規定がある。

 このように、並んだLEDを交互に光らせたり、色を変えたり、左右非対称に光らせてはならず、かなり厳密に規定されているものの、これらのルールを守れば法的に問題はない。

 なお、標準装備されている車種はまだまだ少ない。先述したようにLEDのシーケンシャルウィンカーには細かな規定があるため、装着を検討する際は、ディーラーオプションや、車検対応となっているアイテムを選ぶことがポイントだ。

でもシーケンシャルウィンカーって、実際、どう思われている?

 最近では、カプラーオンで交換できるシーケンシャルウィンカーが仕込まれたライトや、帯状になったLEDのラインをテープで張り付けるタイプなど、気軽にドレスアップができるパーツとしても販売されている。

 そのきらびやかな見た目と、派手なアクションがうけ、徐々に認知が進んで普及し始めているものの、見るつもりのない方向なのに目に入ってくる。

 一言でいうと「目障り」、「違法改造ではないが、普及するならせめてあのせわしない動きを緩和してほしい」、「信号待ちなどで目の前でギラギラされているのを見ていると、目が疲れる」など、否定的な意見があるのも事実だ。

 一度気にし始めると、いやでも目に入ってきてしまうのは分かる気がする。

 筆者の周りには「シーケンシャルウィンカーって工事現場のライトに見えて仕方ない」という人もいる。さりげなく光らせて、クールなドレスアップを目指そう。

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