日本政府は、「2050年カーボンニュートラル」の一環としてガソリン車の販売禁止をする目標を打ちだした。クルマの電動化は世界的に見ても必須といえる状況だ。では、モータースポーツ界も近い将来に電動化していくのか?
F1は現在ハイブリッドを採用しているが、環境を重視したハイブリッドとはいえないもの。WEC(FIA世界耐久選手権)についてもトヨタはハイブリッドで参戦しているものの、そのほかのカテゴリーはいまだにガソリンエンジン車。WRC(世界ラリー選手権)も現在はガソリン車での戦いとなっている。
そのいっぽうで、フルEVのフォーミュラレースであるフォーミュラEもあるが、こちらについては人気がいまひとつ。参戦を予定するメーカーはあるが、まだまだ定着するのには時間がかかりそう。
とはいえ、電動化の流れが急速に進むなか、モータースポーツだけは例外ということはあり得ないはず。近い将来、モータースポーツはどうなるのか?
文/国沢光宏
写真/トヨタ、ホンダ、アウディ、RedBull
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■日本は2050年カーボンニュートラルを宣言
ご存じのとおり我が国は2050年のカーボンフリーを宣言した。欧州各国についていえば、それ以前の2025~2035年からエンジンで走るクルマの販売禁止を決めています。
となると問題になってくるのがモータースポーツでしょう! なかでもF1、WRC、WECという世界選手権は最先端の技術を使う。ガソリンを使っていいのか、という話です。
そもそもトップカテゴリーは自動車産業の代表でもある。二酸化炭素を出しまくるなんてイメージ的にもよくない。
■ハイブリッド技術はお役御免!?
実際、そのあたりの流れを反映し、F1は熱効率を追求した燃費のいいハイブリッドで競われている。WECも最も速いクラスにハイブリッドが義務づけられていたし、WRCのWRカーも2022年からハイブリッドになります。
今までは「二酸化炭素の排出量を減らす」だけでよかったかもしれない。けれど文頭にも書いたとおり遠からずガソリンを使うこと自体、否定される社会になる。加えてハイブリッド技術を磨いたってクルマ作りの役に立たなくなってしまう。
となれば少なくとも世界選手権は2~3年後にレギュレーションを大きく見直すしかなくなると思います。
ここまで読んで「電気自動車のレースなんか面白くない。だからフォーミュラEもまったく盛り上がらないし、むしろBMWやアウディなど撤退していく」みたいに思うことだろう。
確かにフォーミュラE、見ていて面白くないです。何より遅いし音もしない。とてもじゃないがワクワクしながら観戦という気にならないだろう。
コメント
コメントの使い方言っちゃなんだけど先進的な技術開発をしないF1とかただのラジコンカーと変わんないでしょ。
それに将来、電気自動車が当たり前の時代になるのに態々時代遅れの燃料車レースを見る人がいるとは思えないんだが。
EVでやってるフォーミュラEは遅いし静かで面白くないのは書かれてる通り。
トヨタが水素エンジンをレースで実験しているが、この方向しかないのでは?
水素は取り扱いが難しいがカーボンフリーには合致するし、内燃機関なので既存の技術の延長にあることからエンジン関係の知財も活用できるはず。