2020年7月にフォードモーターが発表した、新型ブロンコ。2ドアと4ドアのほかにブロンコスポーツをラインナップしている。
ブロンコはラダーフレームを持つ本格的なクロカン四駆という位置づけで、ブロンコスポーツはモノコックボディで都市型SUVというキャラクターだ。
その新型ブロンコは発売前から人気となり、予約開始から1ヵ月で15万台以上を受注したことで話題となった。
ところが、フォードは2021年1月末までの発売を目指していたが、コロナ禍の影響に2021年夏まで延期されることになった。一方、ブロンコスポーツの発売は延期されず、2020年末に発売された。
そんな状況のなか、何気に中古車情報検索サイトを閲覧していると、新型ブロンコスポーツを横浜のショップが売っているのを発見! さっそく、アポを取って取材に行ってきた。
文/伊達軍曹
写真/伊達軍曹 フォードモーター
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新型フォードブロンコスポーツを横浜のお店で発見!
アメリカのフォードモーターカンパニーが2020年7月に発表し、2021年モデルとして受注を開始した「新型ブロンコ」が日本でも旋風を巻き起こしつつある。
初代フォードブロンコは、コンパクトな2ドアボディに脱着式トップを備えて1965年に登場。愛嬌のある丸目2灯のヘッドランプが特徴で、今も一部のアメリカ車好きから「アーリーブロンコ」との愛称で親しまれ、中古車市場でもかなりの高値が付いている。
だが1970年代に入るとピックアップトラック「Fシリーズ」をベースとする2ドアRVへと進化していき、角目のヘッドランプを特徴とする無骨なスタイルへと変化。そしてその後はセールスもさほどパッとせず、結局は1996年に生産終了となった。
そんなブロンコがこのたび、アーリーブロンコを思わせる丸目ヘッドライトを採用して久しぶりに復活し、そしてそのデザインがたまらなく素晴らしいということで(もちろん各種性能も優秀らしいということで)、アメ車マニアのみならず広範囲で話題を呼んでいるのだ。
しかし現在、フォードは日本市場から撤退しているため正規輸入車が入ってくることはなく、アメリカ車専門店が本国から直輸入する並行輸入車も、今のところまだ上陸していない模様。
そのため「早く新型ブロンコの現物が見てみたい!」と歯ぎしりしていたのだが、中古車情報サイトにて、横浜のアメリカ車専門店に新型フォードブロンコの現車があることを発見!
……と思ったらブロンコではなく、ひとまわり小さなアーバン四駆「新型ブロンコスポーツ」ではあったのだが、この際ブロンコスポーツでもいいというか、日本で使うぶんにはむしろブロンコスポーツのほうが好都合と思い、現車を見に行くことにした。
電話予約のうえ到着したのは、神奈川県横浜市の『スペース YOKOHAMA』。世界各国のトレンドを現地スタッフとの連携によりいち早くキャッチし、人気モデルの新車および中古車から最新パーツアイテムまでを迅速にデリバリーするという、アメリカ車の専門店だ。
また、自社の「スペースファクトリー」との連携によりアフターサポートについてもスムーズに対応してくれるショップである。
ということでさっそく新型ブロンコスポーツとご対面を果たすと……イメージしてたよりもデカい! というか小さくはない!
当日ご対応いただいたスペース YOKOHAMAの営業担当・浅野知美さんは「わたくしどものようなアメ車好き、アメリカ車のサイズに慣れている人間からすると『小さい』と感じるのですが(笑)」とおっしゃるが、筆者のようなアメ車慣れしていない人間からすると、ブロンコスポーツのサイズ感は「普通にまあまあデカい」ぐらいの印象である。
新型ブロンコスポーツの具体的なボディサイズは全長4387mm×1887mm×全高1814mm……と書いてもイメージしにくいと思うので、同種のアーバン四駆の寸法と比較してみることにしよう。
同じアメリカのジープ レネゲードよりひと回り大きく、英国のレンジローバーイヴォークとおおむね同じぐらい……というのがブロンコスポーツのサイズ感だ。
好みや家族構成などによっては「もう少し大きいほうが……」と感じるかもしれないが、筆者のような欧州車や国産車に慣れ親しんでいる人間としては「ジャストサイズ!」と感じる。
ジャストなサイズ感に納得したところで「デザイン」を見てみよう。ううむ……これもまた素晴らしいのではないかと思う。ベストカーの人気連載だった『デザイン水掛け論』を担当した清水草一さんではないので専門的なことは言えないが、この「甘すぎず辛すぎず」の塩梅がとってもよろしいと感じる。
そしてCACTUS GRAY(直訳するとサボテングレー)というボディカラーもまた大変よろしく、筆者が以前乗っていたスバルXVのクールグレーカーキよりも洒落ているのではないかと思う。アメリカ人のセンス、侮りがたしである!
黒というかガンメタの鉄ちんに見えるホイールは鉄製ではなくアルミ製で、インテリアの樹脂やレザーの質感も上々。拝見した車両の場合は2トーンのブラウンレザーをシートおよびその他部分に使用しているが、その配色センスも上々というほかないものであった。
ううむ。もうすでにかなり欲しい気分になってしまったわけだが、気になるのはお値段と納期である。スペース YOKOHAMAの浅野さんに尋ねてみることにしよう。
浅野さん こちらは「BADLANDS」というグレードで、搭載エンジンは最高出力245hpの2L、直4ターボ「エコブースト」になります。トランスミッションは8速AT+セレクトシフトですね。
――新型ブロンコとブロンコスポーツの、サイズとデザイン以外の違いは何なんですか?
浅野さん 新型ブロンコは本格オフローダーということでラダーフレームですが、ブロンコスポーツはオンロード志向のコンパクトSUVということで、モノコックボディとなっています。
――ということは、4WDシステムも大したことなかったり、販売の中心は実はFFだったりするんですかね?
浅野さん いえいえ! そこはやはりブロンコファミリーですから駆動方式は4WDのみで、クラストップレベルの悪路走破性を有しています。本国アメリカでの試乗会も「オフロード」の部分を強くアピールするものだったんですよ。
――なるほどそうでしたか、失礼しました。まあ私なんかは悪路は走らないというか、年に数回雪道を走る程度なので本当はFFでも大丈夫なのですが、「本格的な四駆性能を有している」というのはやっぱり気分がいいですよね。で…肝心のお値段は?
浅野さん これから日本の法規に合わせていく処置をいろいろしなければなりませんので、まだ詳細なプライスは決定していないのですが、おおむね700万円ぐらいになる予定です。
――うむ。もちろん安くはないですが、これだけ旬の、こんなにもカッコいい輸入SUVが700万円ぐらいというのは、ある意味安いですね! 今のうちから乗っていればかなり目立つでしょうし! ていうか、納期はどのぐらいなんですか?
浅野さん こちらの現車をお買い求めになる場合は2~3週間ほどでしょうか。現在、先ほど申し上げた「日本の法規に合わせるための改善作業」を開始しているところです。
――なるほど。ではこの現車ではなく、違う色や違うグレードのブロンコスポーツが買いたい場合も、納期はおおむね1ヵ月ぐらいと思っておけばいいですか?
浅野さん それがですね……大変恐縮なのですが、ちょっと読めない状況なんですよ。
――はて? それはなぜ?
浅野さん すでにご承知かと思いますが、現在、さまざまな事情により世界中の自動車製造工場に「半導体」が入ってこなくなってしまっため、多くのメーカーで生産スケジュールが大幅に遅延しています。そしてブロンコスポーツを作っているフォードの工場も例外ではなく、「はたして次はいつ買えるのか?」というのが、今のところまったくわからない状況なんです……。
――なるほどそうでしたか……。まぁしばらく入ってこないのは残念といえば残念ですが、しかし逆に、今あるこの現車の価値が上がるのかもしれませんね……なんて話はどうでもいいとして、とにかく「ブロンコスポーツはめっちゃいい感じのクルマである!」というのは本日、よくわかりました。もしかしたら本気で買いにくるかもしれませんので、そのときはぜひよろしくお願いいたします!
浅野さん 了解です! お待ちしております!
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