2021年2月10日、日産が欧州で展開している商用バン「NV300コンビ」がビッグマイナーチェンジを果たした。
NV300は全長5mほど。トヨタのハイエース(5代目・国内現行型)が4695mmから5380mmほどなので、全長だけ見ればそのちょうど中間といったあたりだろうか。
商用のみならず、キャンパーの足として日本でも需要がありそうなNV300。自動車評論家 永田恵一氏に紹介してもらう。
※本稿は2021年3月のものです
文/永田恵一 写真/NISSAN
初出:『ベストカー』 2021年4月10日号
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■日本に導入されれば売れそうだけどその予定はなし!?
「ヨーロッパで日産NV300コンビがビッグマイナーチェンジされ、新型モデルになった」と言われても、ほとんどの人にとってNV300自体の認識がないと思うので、まずは成り立ちなどを紹介しよう。
NV300は日産とアライアンスを結ぶルノーの「トラフィック」というモデルの日産版で、日本車でいえばグランエースに近い車格やボディサイズとなる商用バンと乗用ミニバンだ。
おおよそ2トンの車重と乗員、荷物の重さを合計した車両総重量が約3トンとなるため「NV300」と命名。
三菱自動車へはオセアニア向けの「エクスプレス」があり、プジョーとフィアットにもOEM供給されている。
NV300のパッケージングは、商用バンもあるこのサイズのモデルとしては日本車からすると珍しいエンジン横置きのFF。
エンジンは110ps、150ps、170psという3つのチューニングがある2Lディーゼルターボを搭載する。
ボディタイプは商用バンは1列目が3人乗りで、その後ろは広大なカーゴスペースとなり、スライドドア以降のガラスが鉄板となる「パネルバン」、1列目と2列目が3人掛けの6人乗りで、ミニバンでいう3列目シート以降のガラスが鉄板となる「クルーバン」、8人乗りと9人乗りがある乗用ミニバンの「コンビ」の合計3つだ。
今回のマイナーチェンジでは、エクステリアでよく“日産顔”と呼ばれる「Vモーショングリル」を逆にしたような形状に変更されたことや、インテリアではモニターが最近増えているオンダッシュ的なものになった点が目立つ。
もうひとつ大きな変更点はブラインドスポットモニタリングや先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールなどから構成される運転支援システムが設定されたことである。
日本でもグランエースが販売されているのを見ると、NV300コンビも何らかの形での日本導入を期待したい1台だ。
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