世界的に注目を集めるEV(電気自動車)だが、そのパイオニアといえるモデルが日産『リーフ』だ。
そのリーフが、2021年4月19日に改良されて登場するという。強力ライバルが続々登場するEV界において、パイオニアがどう変わるのか!? その改良についての最新情報をお届けしたい。
文/遠藤徹
写真/編集部
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■改良内容は使い勝手向上と新エンブレム採用が中心
日産は電気自動車『リーフ』を一部改良し、2021年4月19日に発表、5月20日に発売する。
今回は新デザインのエンブレム、新色のフロントグリル、抗菌仕様のステアリングとシートの採用、法令改定に伴うオートライトのオフスイッチ廃止、上質な「アーバンクロム装備」の採用、ボディカラーの再編などが中心で、モーター性能や航続距離などメカニズム面の変更はない。
展示&試乗用車両のデリバリーや見積書の作成は4月19日以降だが、予約希望の受付だけはすでに行っている。従来モデルの在庫はほぼ売りつくした状況にある。車両本体価格は従来モデルに対して据え置きないしは1万円程度の小幅な値上げにとどめている。
具体的な改良モデルの商品内容は、外観が新デザインの「日産エンブレム」と新色のフロントグリルで引き締まった印象にリニューアルする。室内は抗菌仕様のステアリングとシートなどの採用で、より快適な空間を実現する。プラズマクラスター搭載のフルオートエアコンは肌保湿、除菌機能付き、プッシュ式画面表示方式を採用。高性能フィルターで花粉、におい、アレルゲン対応タイプとする。
「アーバンクロム」仕様はさりげないこだわりで、ひと味違う上質な仕立てを採用。専用装備は漆黒フロントグリル、アーバンクロム専用17インチダークアルミホイール、サイドターンランプ付電動格納式リモコンランプドアミラー(ドアロック連動格納機能付)、専用シルバーフィニッシャー(エアコン吹き出し口)など。
ボディカラーは2トーンのオレンジ(ルーフはスーパーブラック)とイエロー(同スーパーブラック)の2タイプがなくなり、代わってバーガンディーパールメタリック(スーパーブラック)、暁サンライズカッパーメタリック(スーパーブラック)が新たに設定される。従来からの継続分を加えると2トーン、モノトーン6色ずつ合わせて12色のラインアップは維持される。従来から設定されているタイプ別車両本体価格は以下のとおり。
・S:332万6400円
・X:382万5800円
・XVセレクション:406万3400円
・G:419万3200円
・e+ X:441万7600円
・e+ G:499万8400円
(※遠藤徹氏調べ)
従来リーフのカタログ上の航続距離はバッテリーサイズが40kWhの「S」「X」「XVセレクション」「G」が400km、62 kWhの「e+ X」「e+ G」が570kmとなっている。
現在までの販売構成比は40kWh仕様が70%、62 kWh仕様が30%と航続距離の短い40kWh仕様のほうが売れ行きがよい。これは約60万円も高い62 kWhだと購入をためらうユーザーが多いためと思われる。
今回モデルから国の補助金は36万円、60万円、80万円の3パターンから選べ、全体的に増額傾向にある。補助金が増えるのはリーフのバッテリーを家庭用の電気や家電などに利用、充電するのに特別の設備が必要になり、それを設置するための費用に充てることができるための資金に使えることを考慮しているためだ。
残価設定クレジットでリーフを購入する場合の実質金利は2.9%で、ほかの乗用車の4.9%に比べると2ポイントの低金利を設定している。これを利用すると5年間の残価設定クレジットで約20万円の金利額が負担減となる。今回の改良によってリーフシリーズ全体では月販2000台規模の増販を目指すことになりそうだ。
2021年は第二弾の量販電気自動車『アリア』の発売も予定されている。すでに2020年夏に発表され、2021年中盤の発売を予定していた。しかしながら、コロナ禍やサプライヤーからの半導体部品の供給遅れなどによって、投入時期が遅れ、今秋頃に先送りされそうな見通しとなっている。2025年あたりまでにはさらに3車種の新型電気自動車を加え、近い将来には合計5車種のラインアップを揃える方向で開発を進めている。
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