2021年4月29日、北米ホンダは「新型シビックセダン」を発表した。
「シビック」は、1973年にアメリカ市場へ登場して以降、歴代で通算1200万台以上売れた、メガヒットブランド。過去5年間でも、165万台以上の販売を記録しており、ミレニアル世代、Z世代にも愛されている。
11代目となる新型シビックセダンは、歴代のシビックが持っていた価値観を引き継ぎつつ、パワートレインの改善やシャーシと高剛性ボディのアップデートによって、ダイナミクスと騒音・振動・ハーシュネス(NVH)の性能向上をしたという。
すでにスポーツモデル「タイプR」の設定も明言されているが、日本への投入はどうなるのか? 新型シビックセダンの全貌を紐解いていこう。
文/吉川賢一 写真/HONDA
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キープコンセプトながらシビックらしさを引き継ぎ、基本性能を向上
新型シビックセダンについて触れる前に、ちょっとだけ、「シビック」というクルマについて、おさらいをしておこう。
初代シビックは、「軽量コンパクトでキビキビ走れる」、「ユーティリティー・ミニマム(最も効率の良いサイズ、性能、経済性)であること」、「マン・マキシマム(居住空間の十分な確保)」という、3つのコンセプトに絞り、ワールドベーシックカーを目指して作られたクルマだ。
歴代シビックは、いつの時代でも通用するこれらのコンセプトを大切にしつつ、その時代の需要に合わせ、ボディサイズを拡大したりボディ形式を変更し、進化を繰り返しながら今に至っている。
新型シビックセダンのエンジニア、デザイナーもまた、このコンセプトを引き継ぎ、新たなデザインを織り込んでいったそうだ。
なお今作のポイントは、クルマとしての基本的な性能をとことん追求し、磨き込まれた点だ。
新しいシャーシの採用およびボディ剛性の向上、パワフルで燃費の良い1.5Lの新ターボエンジンを採用し、サスペンションとステアリングのセッティングを更新してハンドリングと乗り心地を改善。
また、新しいフロントエアバッグとリアシート用サイドエアバッグの採用、新しい交通渋滞アシストを含んだホンダセンシングシステムの刷新など、奇をてらうことなく、クルマの性能をより向上させてきたのは非常に好ましい。
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