スカイライン伝統の直列6気筒エンジンを搭載するトップモデルが「GT」。しかし、6代目となるR30型スカイラインには、伝統の最上級モデルである2000GTとは別に、直列4気筒DOHCエンジンを搭載したスポーツグレード「2000RS」がラインナップされた。
ターボエンジンの追加で190psを発揮した2000ターボRSには「史上最強のスカイライン」のキャッチコピーがつけられるなど、「GT」以上にスカイラインのイメージリーダーになった。しかし、その後のスカイラインには継承されなかった「RS」はどうして生まれたのか?
「スカイライン」だからこそ特別な思いがあって誕生した、R30型スカイライン“RS”の歴史を振り返る。
文/片岡英明 写真/NISSAN
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■GT-R並みのエンジンを持つスカイラインが求められた
1970年代後半、高性能エンジンを積むスポーツモデルは厳しい排ガス規制と2度目のオイルショックによって生存が危ぶまれた。スポーティな走りが自慢のスカイラインも鋭い牙を抜かれ、ライバルから「名ばかりのGT」と揶揄されるようになる。
だが、1980年代を前に排ガス対策のめどが立ち、ターボチャージャーに代表される過給システムも実用化できそうな状況となってきた。日産は1979年秋に430型セドリックとグロリアに日本初のターボエンジン搭載車を設定している。
通称「ジャパン」と呼ばれた5代目のスカイラインは、モデル末期にターボ搭載車を設定。GTにふさわしい冴えた走りを取り戻した。だが、多くの人がイメージする最高のスカイラインは、高回転まで気持ちよく回り、切れ味も鋭いDOHC4バルブエンジンを積む2000GT-Rだ。
当然、開発主管の桜井眞一郎さんも、6代目のR30スカイラインを出す時に、イメージリーダーのGT-Rを復活させたいと考えていた。
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