カーボンニュートラル実現に向かって、自動車業界も変革が求められている。そんななか、2021年4月にホンダは、新社長就任会見のなかで、2040年にグローバルでEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)の販売比率100%を目指すと宣言した。
1970年代の自動車の排出ガス規制、いわゆるマスキー法をCVCCエンジンによってクリアしたホンダの新たな挑戦とポジティブに捉えられる反面、もうガソリンエンジンを開発することはないのかと思うと寂しさもある。
そこで、今回は今乗っておかないと後悔する「ドッカンターボ」と「超高回転型の自然吸気(NA)」エンジン搭載車の中古車相場を紹介する。
文/萩原文博
写真/トヨタ 日産 ホンダ マツダ 三菱
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ドッカンターボにもう一度乗りたい! ランエボの祖先、ランサーEXターボ
欧州車ではスタンダードになっている「ダウンサイジングターボ」だが、1980年代のターボエンジンは「ドッカンターボ」と言われていた。ターボとは過給器のターボチャージャーの略称だ。
排気ガスでターボチャージャーのタービンを回して、空気を圧縮して体積あたりの酸素量を増やして、より燃料を燃焼させてエンジン出力を増大させるのがターボチャージャーの役割。温かい空気だと酸素量が少なくなるので、インタークーラーを使用して冷却する。
国産車で初めてターボを搭載したのは、日産の430型セドリック/グロリア。日産の名機と呼ばれるL20ET型2L直列6気筒SOHCエンジンに初めてターボを装着。
最高出力は120psから135psへと15psもアップした。しかし、パワーは向上したものの、エンジン回転数を下げてしまうと、アクセルを踏んでもターボが効果を発揮するまで時間が掛かる「ターボラグ」という現象が起きる。
このターボラグによってある回転から突然パワーが発生することを「ドッカンターボ」と表現したのだ。
これはパワーを出すために大きなタービンを装着すると、ターボラグが発生する傾向が強かったので、そこで考えられたのが気筒を2つに分けて小型のタービンを装着するツインターボやBMWなどが採用している排気のパイプを2つに分けて効率を高めたツインスクロールターボといった手法だ。
現在は燃料の直噴化など最新のテクノロジーによってターボラグは発生しないようにドッカンターボという言葉も使われることはなくなった。まさに昭和のターボ車のフィーリングである「ドッカンターボ」。
まず取り上げるのは、三菱ランタボの愛称で人気の高いランサーEXターボだ。1979年に登場した2代目ランサーは車名がランサーEXと変更された。
1981年の一部改良で最高出力135ps、最大トルク20.0kgmを発生するG62B型1.8L直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した1800GTターボが登場した。
車両重量約1トンの軽量ボディにターボの太いトルクによって高いパフォーマンスを発揮した。トランスミッションは5速MTのみで、サスペンションなども強化された硬派なモデルだった。
1983年のマイナーチェンジでランタボはエンジンにインタークーラーの装着をはじめ、サスペンション、ブレーキの強化。そしてボディのスポット溶接点増しだなどを行い戦闘力アップしている。
現在、ランサーEXターボの中古車は2台流通していて、価格帯は約128万~約258万円。特に後期型のインタークーラーを装着したモデルは高くなっている。
コメント
コメントの使い方記者も編集も、完全に価値観が時代遅れなんだよ。
そんな化石みたいな性能が劣る車に喜んでるのは化石みたいな爺さんだけだと自覚した方が良い。
無駄に回転数上げて喜ぶだのどっかんターボだの。