軽自動車の本格オフローダー、スズキ ジムニーは間もなく6月下旬にフルモデルチェンジを行う。すでに販売が終了している3代目は1998年10月に登場し、約20年も販売されたロングセラーモデル。だが、時代に左右されないコンセプトから、モデル末期でも月1000台以上を販売するなど根強い人気を最後まで持ち続けた。そんなジムニーのキャラクターゆえ、現行型の中古車を買うという選択肢も大いに魅力的! 今、狙い目の中古車、そして注意すべきポイントは?
文:萩原文博
写真:池之平昌信、SUZUKI
中古ジムニー、値落ちの少なさはポルシェ並み!?
中古車は、新車と異なり「人気」という要素が価格に大きく影響を及ぼす。新車の場合、人気車だからといって価格が高くなることはないが、中古車の場合は当然のように起こりうる現象だ。
なかでもジムニーは歴代モデル揃って、ポルシェ 911、トヨタ ランドクルーザーと並び、中古車で値落ちしづらい車種と言われており、ジムニーだけを扱う専門店もあるほどだ。
中古車のジムニーが人気車である理由を、現在の平均価格で紹介しよう。1998年に登場した3代目ジムニーの中古車は、流通台数約2200台、平均価格91万円となっている。
モデル末期に販売の中心となっていた「ランドベンチャー」4AT車の新車価格が169万1280円なので、なんと残価率は約53.8%。これを2012年~2014年式に絞ってみると平均価格は131万円となり、残価率は約77.4%と跳ね上がるのだ。一般的に、5~6年落ちで50%あれば、高いと言われている。
また、1981年~1998年まで販売された2代目ジムニーでは、最終年式のクルマが発売から20年が経過しているのにも関わらず、中古車の流通台数は約950台もあり、平均価格は55万円をキープ。最終モデルの「660 XC」の新車時価格が134万9000円なので、こちらも残価率は37%と驚異の数値となっている。
この高い残価率からもいかにジムニーが根強い人気を誇っているのかがわかってもらえるだろう。
使い方で選ぶ2つの狙い目モデル
さて、まもなく旧型になるジムニーだが、約20年に及んだモデルライフの中で、2004年と2008年に大幅な変更を行っている。
まず、2004年は4WDのトランスファーがレバー式からスイッチ式へ変更。同時にトランスファーのハイ/ローのギア比の差が大きくなった。
そして、2008年はエンジンのシリンダーヘッドが改良され、中低速域のトルクを改善。さらにエアロッキングハブコントローラと4WDコントローラが統合され、2H-4L感の直接シフトが可能となっている。このような変更や年式、走行距離などを考慮すると、3代目ジムニーの中古車は2008年式以降を狙いたい。
2008年式と言ってもすでに初度登録から10年が経過している中古車なのだが、この年式以降に絞っても3代目ジムニーの中古車は約1100台と非常に豊富で、価格帯は34.8万~178万円と幅広い。
ジムニーの中古車の特徴として、高価格帯の物件はほとんどリフトアップなどのコンプリートモデルとなっていることを覚えておきたい。
購入後にカスタムを行おうと考えているならば、カスタム済モデルを購入したほうが支出を抑えることができる。
2008年式以降の中古車のグレードを流通台数の多い順に並べると、「ランドベンチャー」、上級グレードの「XG」、特別仕様車の「クロスアドベンチャー」。走行距離1kmという未使用車から15万kmオーバーという過走行車までピンから切りまである。2008年式以降で見ると、3万~7万kmが中心となっている。
■現行型ジムニー特選中古車 XGはワンオーナーで50万円台も!
オススメモデルとしては、長く乗りたいという人には予算130万~150万円で高年式の「ランドベンチャー」。そして、タフギアとして使いまくりたい! という人には80万円ぐらいで購入できる「XG 4WD」が狙い目だ。
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