新型コロナの蔓延で開催が危ぶまれた東京オリンピック・パラリンピックだが、いよいよ開催されることになりそうだ。そこで思い出されるのが、「東京オリパラ期間中の首都高1000円上乗せ」である。
新型コロナの影響ですっかり忘れ去られていたが、コロナ前は、オリパラ開催最大の障害は交通問題と言われていた。特に大会関係者のクルマでの移動が難題。その対策として、期間中の首都高1000円上乗せが決定された。
オリパラは1年延期されたが、値上げも1年延期できっちり実施される。その内容を再確認してみよう。
文/清水草一、写真/ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】前回東京大会に合わせるように開通した首都高が……東京オリパラ期間中の首都高1000円上乗せを再確認
■すべての車が上乗せの対象になるわけではない
まず上乗せの期間だが、7月19日から8月9日までと、8月24日から9月5日までの、合計35日間だ。上乗せ開始は大会期間中より長く、開始も開幕の4日前からだから注意が必要だ。
ただ、すべてのクルマが上乗せの対象になるわけではない。
まず、中型車、大型車、特大車(トラックやバス)はすべて対象外。これらの車両は、現金利用の場合も上乗せの対象外になる。
ETCを利用すれば、普通車、軽、二輪のうち、緑ナンバーの商用車も対象外になる。加えて、いわゆる4ナンバーの軽貨物車(+1ナンバーと6ナンバーと8ナンバー)も対象外だ。分類はナンバープレートのみで行われる。
上記を除く一般的な自家用車は、すべて1000円上乗せの対象だ。
上乗せされる時間帯は、午前6時から午後10時まで。逆に午前0時から4時までは、全車5割引きになるが、首都高にはNEXCOの高速道路のような長距離高額利用はないので、そこまで時間をずらして割引を狙う車両は多くはないだろう。
これが実施されると、首都高の混雑状況はどうなるだろうか?
首都高の利用は、その7割から8割が業務目的。つまり、お仕事で使われている。ただし、そのすべてが商用車というわけではなく、自家用車も大いに使われているので、1000円上乗せの対象になる交通量は、全体の半分弱だ。
そのうち、どれくらいの割合が1000円上乗せでも首都高を利用するかだが、ざっくり「半分」ではないだろうか。つまり、首都高の交通量は2割から3割減ることになる。
東京都は、首都高の交通量最大3割削減を目指して、1000円上乗せを決めた。まさに東京都の狙い通りになる可能性が高い。
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