国産3大メーカーの最量販コンパクトカー、ヤリス、フィット、ノートがモデルチェンジをした2020年。それから1年以上が経過し、新車効果も薄れてきた現在、登録車ランキングで、ぶっちぎり1位の独走状態にいるのが「ヤリス」だ。
自販連で集計されている、ヤリスの登録台数は、5ドアハッチバック、GRヤリス、ヤリスクロスの3バリエーションの合計なのだが、このうち約半分は5ドアハッチバックであり、ノートやフィットと比べても、ヤリスが多いという結果は変わらない。
ヤリスがこれほど売れている背景には、もちろんトヨタの販売力もあるだろう。ただ、ほんとうにそれだけなのか。ここで改めてヤリスの長所を分析してみよう。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA
月販平均で約1万台が売れ続けるヤリス
はじめに、2021年1~9月の登録車台数の推移を確認しておこう。この期間でのヤリス(本稿の「ヤリス」は5Dハッチバックのみをさす)の登録台数は8万4312台、ノートが6万7523台、フィットは4万2838台となっている。ちなみに2021年7月にフルモデルチェンジをしたアクアは、4万8600台であった。
ヤリスは月販平均で約1万台もコンスタントに売れ続けている。特に決算時期の3月は、1万4333台もの台数を登録している。これは、ヤリスクロス+GRヤリスを足した登録台数よりも多い。ノートとフィットも台数を伸ばしたが、ヤリスの勢いには及ばなかった。
ノートは、2020年12月に登場したあと、順調に台数を稼いでいる。e-POWER専売となったためか、先代ノートほどの爆発力は見られないが、今後、9月以降はノートオーラもが加わることで、台数増加の可能性は十分にある。
一方、不調なのがフィットだ。ホンダの主力量販コンパクトカーであるはずのフィットが、4月~6月にはなんと3,000台程度という酷い状況。コロナ禍による部品生産への影響は計り知れず、いまだ回復していない。納期も延びに延びており、4月に登場した新型ヴェゼルでは、現時点は納期未定(筆者が訪れたホンダディーラーの回答)という状況。フィットもこうしたことが影響しているのだろう。
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