新型ランクル売れ筋モデルのなぜ コロナの影響さらに浮き彫りに 国内メーカー最新動向

新型ランクル売れ筋モデルのなぜ コロナの影響さらに浮き彫りに 国内メーカー最新動向

 毎月200店以上の新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。

 今年も2カ月あまりとなったが、コロナ禍、半導体供給不足による減産&新車の納期遅れが更に深刻化している感がある。

 ほか、新型ランクル売れ筋はZX GRスポーツのなぜ、N-BOX、シエンタ、マツダの新型車情報…などなど、国内メーカーの最新動向をとって出し。

※本稿は2021年10月のものです
文/遠藤徹 予想CG/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年11月26日号

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■トヨタ 新型ランクル 売れ筋はZX GRスポーツのなぜ

トヨタ ランドクルーザー300。730万円〜と輸入車並みの価格だが、リセールバリューの高さから写真のZXやGRスポーツなどの上級グレードが人気だ
トヨタ ランドクルーザー300。730万円〜と輸入車並みの価格だが、リセールバリューの高さから写真のZXやGRスポーツなどの上級グレードが人気だ

 新型ランドクルーザーの受注の多くは上級のZX、GRスポーツとなっています。

 ZXで730万円、GRスポーツ770万円、必要なオプション&付属品込みでは800万〜850万円と上級の輸入車並みの高さですが、それでも圧倒的に販売構成比が高いのはリセールバリューの高さによるものなのです。

 残価設定クレジットで3年後は車両本体価格の60%、5年後は40%ですが、実際の下取り額は無傷で年間1万km以内の走行だと、これより50万円以上のプラスとなりますので、買い得になるのです。

 トヨタ車ではハイエース、アルファード、ハリアーがリセールバリューの高い代表格ですが、ランドクルーザーははるかに上です。残価設定クレジットなら、それほど多額の支払額にならないので、一度購入すると、あとは買い得になる仕組みなのです。

■日産 次期型エクストレイルは春以降に先送りか

日産 エクストレイル(現行型)。2022年初頭にもモデルチェンジするとみられていたが、春以降に先送りされそうだ
日産 エクストレイル(現行型)。2022年初頭にもモデルチェンジするとみられていたが、春以降に先送りされそうだ

 日産が2022年初めにも投入するとみられていた次期型エクストレイルは春以降に先延ばしされる趨勢です。

 半導体を中心にサプライヤーからのパーツ供給が遅れ、国内での生産がしにくい状況になっているためと思われます。

 現行型はグレード、ボディカラーとも、まだ通常どおりオーダーが可能です。

■新車の納期遅れを中古車販売の強化で対応

高い人気にくわえて半導体不足の影響で納期が大きく遅延しているホンダ ヴェゼル。写真の「PLaY」は特に人気で納期が全く見えない状況だ
高い人気にくわえて半導体不足の影響で納期が大きく遅延しているホンダ ヴェゼル。写真の「PLaY」は特に人気で納期が全く見えない状況だ

 半導体部品の供給遅れなどにより新車の納期遅れが頻発していますが、その活路のひとつとして中古車販売の強化があります。

 新車の購入希望者であっても、納期が遅れて車検が近づいたりすると、在庫のある高年式の中古車を薦めてカバーするケースも目立っています。

 新車ディーラーの営業部門は新車販売のほか、中古車販売、部品用品販売、定期点検、車検、修理、保険業務などいろいろあり、新車販売の納期遅れで収益確保に支障が出れば、他部門でカバーすることになります。

 最近の営業利益率で最も高いのは新車販売ではなく、サービス部門のアフターケアや部品用品販売、修理などとなっています。

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