今から30年以上も前に登場した、日産「レパード」。新車販売当時は元祖「ハイソカー」であるトヨタ「ソアラ」の影に隠れてしまって、イマイチぱっとしなかったレパードだが、2代目のレパードは、現在中古車情報サイトで約200~500万円以上というプレミア価格で販売されている(2021年11月下旬現在)。
2代目レパードとは、どんなクルマだったのか、そしてなぜこのように高値で取引されているのだろうか。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:NISSAN
上級スペシャルティカーながら、中途半端な面もあった、初代レパード
初代レパードのデビューは、1980年のこと。スカイラインやローレルに続く上級スペシャルティカーを目指して開発された。
特徴的なのはそのスタイリングだ。鋭くスラントしたフロントセクションや長いボンネット、優雅に傾くリアウインドウ、ガラスエリアに埋め込まれた細いCピラーなど、斬新でスポーティなデザインだった。上級グレードには本皮シート、オートクルーズコントロール、マルチ電子メーター、世界初のワイパー付きフェンダーミラーなど、先進的な装備がふんだんに採用されていた。
しかしながら、初代レパードは、「クーペ」といいながら4ドアが用意されていたり、4気筒モデルもラインアップされるなど、スペシャルティカーを名乗るにはやや中途半端な面もあった(実際には4ドアモデルの方が販売は好調だったようだが…)。
このレパードと同様、スペシャルティカーとして登場したのが、冒頭で触れた、元祖ハイソカーであるトヨタ「ソアラ」だ。ソアラは、レパードよりも遅れること1年、1981年に登場。
2ドアクーペのみで全車6気筒エンジン、当時の先進メカニズムを惜しげもなく投入、というはっきりとしたキャラクターが効を奏し、あっという間にトヨタのイメージリーダーへと成長する。
この初代ソアラの登場によって、トヨタは、それまで貫いてきた「80点主義」ではなく、「技術のトヨタ」に企業イメージを変えることに成功している。
ソアラを強く意識した2代目
2代目レパードは1986年に登場。全車V6エンジン、そして2ドアのみというラインアップを見ても、ライバルのソアラを強く意識していることが伺える。スタイリングも初代の近未来的なデザインではなく、コンサバティブでありながらラグジュアリーで知的なクーペに生まれ変わった。
インテリアは機能的かつ高級車にふさわしい質感が与えられ、全面ブルー液晶のグラフィカルデジタルメーターも設定された。
前期型のエンジンは2.0L V6 SOHCのVG20E型(115ps)、2.0LターボのVG20ET型(155ps)、3.0L、NAのV30DE型(185ps)の3タイプ。サスペンションはフロントがストラット、リアがセミトレーリングアームで、高級モデルにふさわしい4輪独立式を採用。
最上位グレードの「アルティマ」には、超音波ソナーによって路面状況を検知し、減衰力を3段階に調節する「スーパーソニックサスペンション」などハイテク装備が用意された。
2年後の1988年にはマイナーチェンジを実施。バンパー等が変更されて丸みのあるデザインとなり、デジタルメーターはホワイト盤面のアナログメーターに変更。また、3.0LにDOHCセラミックターボのVG30DET型(255ps)が追加され、ラグジュアリーパーソナルクーペとしての魅力を高めた。
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