ソアラは強かった…だが思わぬ転機が
このように、ソアラを意識して開発された2代目レパードだったが、残念ながら、販売でソアラに勝つことはできなかった。
2代目レパードと同じ、1986年に登場した2代目ソアラは、コンセプトはキープしながらモダンに進化したことで、さらにくっきりと分かりやすく「贅沢なクルマ」という雰囲気がデザインに表れていた。初代でラグジュアリークーペの礎をすでに築いていたソアラだからこそできたことであり、2代目で大きくデザインを変えてきたレパードとは「重み」が違っていた。
また、2代目ソアラには、前期型から3.0LエンジンにDOHCインタークーラーターボが用意され、当時の日本車最高出力である230ps(後期型は240ps)を発生させるエンジンが搭載されていた。2代目レパードがそれを上回る255psの3.0LのDOHCターボを用意できたのは、1988年の後期型。この2年の差は大きかった。
だが、2代目レパードは、当時放送されていた刑事ドラマ「あぶない刑事」の劇中車に採用されたことで、運命が変わる。柴田恭兵さんと舘ひろしさんが主演のアクションシリーズである「あぶない刑事」は、リアリティのあるストーリーやスピード感、テンポの良さ、魅力的なキャラクターの登場で大人気となったドラマだ。
2代目レパードは主役の2人「タカ&ユージ」がいつも乗る大切な相棒として頻繁に登場。主演の2人の軽妙なやり取り、キレのあるアクションやダンディーな表情をうまくまとめる、いい「演者」となっていた。
イケイケなソアラでは、この世界観はつくることができなかったと思うし、クルマ好きから見れば、「あぶない刑事」は2代目レパードあってこそだと断言できる。そのくらい、2代目レパードはいい活躍をしていた。
高値だが、乗るなら今が最後のチャンス
ドラマ「あぶない刑事」での活躍と、ハイパワーの後輪駆動車、という面が、2代目レパードが現在も高値で取引されている理由だ。このような後輪駆動のラグジュアリークーペモデルは、すでに絶滅危惧種。バブル時代を盛り上げたレパードのような名車に乗りたいなら今が最後のチャンスだ。
すでに30年以上前のモデルであり、乗るにはそれなりに覚悟と資金が必要だが、経験は「財産」だ。お金が理由ならば、いまのうちに乗っておいた方がいい。
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