トヨタ「bZ4X」、スバル「ソルテラ」が2022年半ばに中国、北米、欧州、日本で発売することを発表した。さらにトヨタは、2025年までにbZシリーズ7車種を導入する。
販売王者であるトヨタがついにEV事業に本格参入する。トヨタは国内においてEVで覇権をとることはできるのか、そして国内EVの先駆者である日産はいかにEV普及へ力をいれてきたのか、解説する。
文/御堀直嗣、写真/佐藤正勝、TOYOTA、NISSAN
【画像ギャラリー】注目のEVクロスオーバートヨタ bz4xと日産 アリアを写真でチェック!!(12枚)画像ギャラリートヨタがついにEV本格販売へ
菅義偉前首相の脱二酸化炭素へ向けた発言や、英国で開催されたCOP26の情勢を含め、電気自動車化への動きがさらに加速している。
そうしたなか、トヨタはbZ4Xの概要を発表し、あわせてスバルもトヨタと共同開発してきたソルテラの発表を行った。両社とも、2022年半ばあたりを目途に、中国、北米、欧州、日本などで発売するとしている。さらにトヨタは、2025年までに7車種のEVを導入する予定だと公表した。
この発表に触れ、内容で注目した一つは、日本市場への導入がトヨタからより明確に語られたことだ。2019年の記者会見において当時の寺師茂樹副社長は、国内へのEV導入について「2030年までの適切な時期に、日本市場に見合うEVを投入する」と述べ、導入時期を明確に示さず、まずはEVの強制導入を促す中国や北米を優先するとの姿勢を示していた。
理由は、EV販売の規定台数を達成できない分について、クレジットとよばれる反則金を支払わなければならないためだ。「たとえ利益が充分でなくても、クレジットを払うよりましだ」とも述べている。
海外情勢に対し、国内にはEV販売を強制する反則金のような罰則規定はない。そのうえ、マンションなど集合住宅での普通充電による自宅充電が実質できない状況にあり、EVの本質的利便性を多くの消費者が享受しにくい環境もあり、それがEV販売を難しくしている。
なおかつ、国内は現在火力発電が主力となっており、EVを販売しても必ずしも二酸化炭素削減に大きな効果が得られないというのが、トヨタの論旨だった。
しかし今回のbZ4Xの概要説明で、2022年半ばの導入予定市場に日本が加わったのである。EV販売へのより積極的なトヨタの姿勢が示された。
コメント
コメントの使い方