90年代に巻き起こったクロカン(クロスカントリー)ブームはいつの間にやら終焉を迎え、今や、SUVやミニバンが台頭し、クロカンというカテゴリーは影のうす~い存在に……。
しかし! どんな悪路も難なく突き進み、市街地でもスポーツカー顔負けの力強い走りを見せてくれる。そんなマルチで骨太なクロカンの魅力は捨てがたい。ランクルが超ロケットスタートを切ったことからも、まだまだ潜在的なクロカン好きは多いはず。今回は、逆境にもめげることなく頑張っているクロカンをピックアップ。その魅力を改めて考えてみたい。
文/藤原鉄二、写真/スズキ、トヨタ、Jeep(FCA)、ジャガー・ランドローバー・ジャパン、メルセデスベンツ、FavCars.com
【画像ギャラリー】頑張れクロカン!! 奮闘するのはランクルだけじゃない!(24枚)画像ギャラリークロカンとSUVの違いは?
本来は、街乗りも考慮されているSUVとは異なり、クロスカントリー車はあくまでもオフロード走行のために設計されたクルマ。
なかでもクロカンの必須条件は、ラダーフレームと言われている。ラダーフレームとは、ハシゴのような形状を持ったフレームにエンジンやサスペンションなどを取り付け、その上に車体を載せる構造だ。とてもシンプルなしくみで、もともとはすべてのクルマがラダーフレームを採用していた。
ラダーフレームのデメリットは、ボディ、フレーム、駆動系シャシーが別々のために構成部品が多く、生産工程も増えることから、生産コストがかかるという点だ。
そのいっぽうで、ボディが損傷しても、フレーム自体に問題がなければ、ボディのみを交換すれば走行ができる。極端な話、足まわりを損傷しても、床に穴が空いたとしてもフレームさえ無事ならば損傷した部分のみを交換すれば走行できるのだ。この堅牢さが大きなメリットだ。それゆえ、いまだダカールラリーなどのタフなシーンでのラダーフレームの使用率は高い。
しかし、近年ではラダーフレームを採用する量産車はごくわずかとなっていて、ほとんどはモノコックフレームを採用している。
ちなみに、モノコックフレームとは、独立したフレームを持たず、シャシーとボディが一体化した構造。軽量さと剛性を両立できる、フレーム全体で衝突時の衝突を吸収できるといったメリットを持つ。ただし、どこかに強い衝撃が加わるとボディ全体に歪みが生じる可能性が高いというデメリットがある。
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