日本最高峰の自動車レースのひとつとして注目を集めているスーパーGTシリーズ。トヨタ、ホンダ、ニッサンがしのぎを削るGT500クラスは3チームが体制を発表し、2022シーズンを見据えている。
メーカー3陣営のドライバーラインナップを改めて確認し、2022シーズンのゆくえを予想してみよう。
文/吉田知弘、写真/HONDA、TOYOTA、NISSAN
■ここ数年で世代交代を進めてきたホンダ
国内最高峰のモータースポーツとして注目を集めているスーパーGTシリーズ。トヨタ、ホンダ、ニッサン勢がしのぎを削るGT500クラスは、早くも2022シーズンの体制を発表し、準備に取り掛かっている。
各陣営ともドライバーの組み合わせをシャッフルし、王座獲得のための布陣を敷いてきたのだが、ここ数年の傾向をみると、全体的に“世代交代”が行われ始めている印象がある。
なかでも、最も世代交代が進んでいると言えるのがホンダ勢だ。2019年の牧野任祐を皮切りに、2020年の福住仁嶺、大津弘樹、笹原右京、そして2021年には大湯都史樹がGT500デビューを果たし、GT500クラスの顔ぶれが、この2~3年で徐々に変わっていった印象を受ける。
それがしっかり機能していることもあってか、2022年に向けたドライバー変更は3メーカーの中で最も少ないものとなった。
唯一の変更点となったREAL RACINGには、ホンダの育成ドライバーとしてFIA-F2を戦った経験のある松下信治が加入。昨年は12号車カルソニックIMPUL GT-Rで快進撃をみせたドライバーだけに、さらなる活躍が期待される。
■ベテランの勇退で世代交代を前面に押し出してきたトヨタ
一方、昨年大逆転でチャンピオンを獲得したトヨタ勢も今回の新体制発表で“世代交代”が前面に出るラインナップとなった。
これまでトヨタ勢を牽引してきた中嶋一貴が現役を引退し、その後任として平川亮がWECにフル参戦するため、スーパーGTから離れることに。
さらに2016年のGT500チャンピオンで元F1ドライバーのヘイキ・コバライネンも同シリーズを去ることを決め、数年前にレクサスブランドで戦っていたドライバーが陣営のラインナップから外れることとなった。
代わりにジュリアーノ・アレジがTGR TEAM au TOM’S、阪口晴南がTGR TEAM WedsSport BANDOHに加入した。
ほか、陣営のエース格ともいえるTGR TEAM KeePer TOM’Sはサッシャ・フェネストラズと宮田莉朋という、今一番勢いに乗っている2人がコンビを組むこととなるなど、3メーカーを通しても見どころの多い布陣が出来上がった。
一時期と比べるとドライバーズラインアップの様相がガラリと変わった印象のあるトヨタ勢。それでも、立川祐路、石浦宏明、大嶋和也、国本雄資など、GT500で10年以上のキャリアを持つ経験者もいるなど、幅広い層をカバーしている。今シーズンはどんな戦いを見せるのか、目が離せない。
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