■経験豊富な実力あるドライバーで鉄壁の布陣を敷くニッサン
こうして若手ドライバーの加入が進んでいるトヨタとホンダに対し、ニッサン勢はどうだろうか。ここ数年でドライバーの入れ替わりは多くあるものの、若手の加入という点では2020年の平峰一貴が一番最近の例だ。
その辺は、各メーカーが抱えている“若手育成システム”が大きく影響しているところもある。
トヨタとホンダは独自で若手育成を行い、そこで育ったドライバーがGT500にステップアップしてきている。
ニッサンも、かつてはNDDP(ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム)があり展開し、スカラシップの制度があったのだが、現在はチームとしては存在するものの、他のメーカーのような若手育成システムがない状況だ。
もちろん、今のニッサン勢のドライバーたちは松田次生/ロニー・クインタレッリ組を筆頭に、経験豊富であり実力あるドライバーが揃っているのは確か。
さらに2022年はベース車両がフェアレディZに変わり、戦闘力が大幅にアップすることを考えると、ライバル陣営にとっては手強い存在になることは間違いないだろう。
とはいえ、どの時代においても“世代交代”は必ず訪れるもの。遅かれ早かれニッサン勢にとっても若手ドライバー獲得が急務になってくるはずだ。
前述の通り、自分たちで育成システムは持っていないものの、GT300クラスに目を向けるとKONDO RACINGで戦う藤波清斗をはじめ、実力ある若手ドライバーはたくさんいる。そこから“新たなチャンス”が広がっていくと、また見どころが増えていくかもしれない。
いずれにしても、各メーカーとも本格的に動き始めた2022シーズンは、フェアレディZの登場もあり、さらに接戦になりそうな予感がある。昨年、一昨年ともに最終戦での劇的な決着をみたGT500クラスだが、今年はどんなドラマが待っているのか。4月の開幕戦岡山を皮切り、1戦たりとも目が離せない。
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