日産、ガソリンエンジン開発の今後は「それはお客様が決めること」とバッサリ否定

日産、ガソリンエンジン開発の今後は「それはお客様が決めること」とバッサリ否定

 日産は本当の本当に、ガソリンエンジンの新規開発を終了するのでしょうか? 2022年2月8日、日産はオンラインで「2021年度 第3四半期算発表記者会見」を実施しました。出席したアシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者)は、記者からの「昨晩、日産は日中欧向けの新規エンジン開発を終了するという報道があったが、事実関係を確認したい」という質問に対し、「欧州は新規ガソリンエンジン開発を終了することになるが、日本と中国に関しては、お客様がいるかぎりそのようなことはない」と明言しました。以下、速報をお届けします。

文/ベストカーWeb編集部
写真/日産、記者会見からのスクリーンショット、ベストカーWeb編集部

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■「電動化は、あくまで市場とお客様が求めるかたちでシフトを」

 2022年2月7日(月)22時30分、一部新聞で「日産は日中欧で新規エンジン開発を終了する。大手国産自動車メーカーでは初めて」という報道があった。報道では「すでに欧州では終了しており、日本および中国でも順次終了する。ただしe-POWER用のガソリンエンジンユニットは引き続き開発してゆく」と解説していた。

 この報道に関して、翌2月8日16時30分から実施された決算会見にて記者から事実関係を問われたアシュワニ・グプタCOOは、「まずわたくし、感銘を受けました。皆さん日産の商品戦略に高い関心を寄せていただき、本当に感謝しています。」と語り、今後のエンジン開発と製造に関して、以下のとおり説明した。

「決めるのはお客様」と何度も強調するアシュワニ・グプタCOO。「日産に関心を持ってくれてありがとう」と感謝を述べた
「決めるのはお客様」と何度も強調するアシュワニ・グプタCOO。「日産に関心を持ってくれてありがとう」と感謝を述べた

「まず欧州市場に関して、こちらはガソリンエンジンの開発は終了いたします。それは【ユーロ7】(EU加盟国に実施される新自動車排ガス規制)が実施されるからです。ユーロ7が施行されると、ガソリンエンジン車を購入するためには、電動車よりもはるかに高い金額を支払うことになります。これは合理的ではありません。

 そのいっぽうで、わたしたちは先日、V6ツインターボエンジンを搭載した新型フェアレディZを発表しました。こうした自動車を望むお客様は世界中にたくさんおり、そういったお客様がいて、(ガソリン車を開発、製造、販売することが)市場として理に適っているかぎり、わたしたちはそうした商品をお届けしてゆく予定です。」

 また上記に続けて、別の記者から「欧州の話はそのとおりだとして、報道には日本向けや中国向けも順次(新規ガソリンエンジン開発を)終了するとあった。この事実関係について、もう少し詳しく教えてほしい」という追加質問があり、グプタCOOは以下のとおり回答した。

「わたしたち日産は、先日発表した長期ビジョン【Nissan Ambition 2030】にて、日本市場については(2026年度までに)新車販売の55%を電動車とする、という目標を発表しました。つまり45%は電動車ではないということです。わたしたちは電動化を進めておりますが、それはお客様が望むかたちで、自然にシフトしてゆくものだと考えています。

 わたしたちは10年間で2兆円を投資し、2030年までに15車種のEVを含む23車種の電動車を導入し、日産、インフィニティの両ブランドをあわせてグローバルに電動車の販売を50%以上とすると、すでに発表したとおりであります。ただこれは、現時点での目標です。お客様が望めば、もっと早く電動化が実現できるかもしれません。わたくしどもはすでに(もっと早く電動化を進める)準備は出来ております。ただし、決めるのはあくまでお客様だと考えております。」

 と説明した。先日の一部報道のニュアンスを否定するコメントで、ガソリンエンジン車からEVへの急激で性急なシフト(とそれにともなう雇用不安)を打ち消すかたちとなった。このような、あくまで顧客優先の姿勢を重視したかたちでの開発リソースシフトは高く評価したい。

 本件(日産の電動化戦略と可能性)については、引き続き取材を進め、記事化してゆきます。

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