高速道路の新しい出入り口としてすっかり定着したのが、SAやPAに併設されたスマートICだ。利用できるのはETC装着車に限定されるが、最近は9割以上のクルマがETCを利用しているので、大きな問題にはならない。
そんなスマートICだが、一部のSAやPAでは、施設を利用してしまうと出口から出ることができないものがある。なんとも不便なのだが、その理由を調査した!
文/藤田竜太、写真/Adobe Stock(トップ写真=U-image@AdobeStock)
■あまりスマートではないスマートICがある!?
2004年10月から社会実験を実施し(東北道)、2006年10月1日から本格的な運用を開始した高速道路のスマートIC。現在、全国で145箇所のスマートICが開通済みで、さらに全国52箇所で建設が進められている(2021年12月4日時点)。
国土交通省によると、2021年11月現在のETC利用率は93.6%とのことなので、ETCしか利用できないスマートICであっても、新設されて重宝している人が多いはずだ。
このスマートICには、SA・PA接続型と、本線直結型の2つのタイプがあるが、SA・PA接続型の中には、本線からスマートICの出口に向かう場合、SAのレストラン・売店・トイレなどの施設を使うことができない導線になっているところがいくつかある。
例えば東名高速下りの足柄SAのスマートIC(東京方面からだと、富士スピードウェイや御殿場プレミアムアウトレットの最寄り出口)や、東北道下りの佐野SAのスマートICがそれのパターン。
せっかくSA直結のスマートICなのに、SAの施設を使えないまま一般道に降ろされてしまうというのは、不自然かつ不便で、ちょっと意地悪なような気がするが……。その理由をNEXCOに聞いてみた。
■SAの商業施設に寄れない!! NEXCO中日本に訊いてみた!
まず東名高速 足柄SAのスマートICについて、NEXCO中日本に訊ねてみると次のように答えてくれた。
「確かに下り線の足柄SAの出口をご利用の場合、SAの商業施設にはお立ち寄りできない構造になっております。
ご不便をおかけして恐縮だとは思いますが、構造上やむを得ずあのようなレイアウトを採用することになりまして、SA・PA接続型のスマートICの出口がすべて、レストランや売店、トイレをスルーするデザインになっているわけではありません。
実際、同じ足柄SAでも上り側のスマートICは、本線からSAに入り、SAの施設をご利用いただいたあと、スマートICの出口に向かえる構造になっております。
また上り側のスマートICの入口を利用した場合、わかりづらいかもしれませんが、入口を入り、ガソリンスタンドを左手に見ながら進んでもらうとレストランや売店を利用することができます(逆走にはならない)」
つまり、一般道へのアクセスなどを考えたとき、あそこに出口を作らざるを得なかったということだ。
ちなみに下り線の足柄SAスマートICの出口を使っても、一般道に出てすぐ右手に曲がり込むように進み、「ぷらっとパーク EXPASA足柄」の駐車場にクルマを止めれば、そこから徒歩で足柄SA内に入り、SAの商業施設やトイレなどを利用できる。こういうウラ技もあるので覚えておこう。
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