モータリゼーション発展期の日本において、モーターショーなどで話題になったクルマは数知れず。みなさんも、若き日に目を輝かせながら見ただろう。
しかし、その後はぱったりと話を聞かなくなってしまった……なんてことは、芸能人でもクルマでもよくあることだ。
そこで今回は、どこに行ってしまったのか、あるいはまだ手に入るのか? という伝説のマシン&モデルを大捜索。その現状を調査してみた。あのクルマは、現存するのか? はたまた解体されてしまったのか? ご覧いただこう!
文/ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部
初出/『ベストカー』2018年8月10日号
■5000万円! 世界にたった1台、幻のホンダNSXタイプR-GT
2005年2月、スーパーGTのホモロゲーションモデルとして限定5台、5000万円で発売されたNSXタイプR-GT。エンジン、インテリアともにノーマルのタイプRと同じで、全長を180㎜延長したカーボン製の専用エアロパーツを装着したことで値段が跳ね上がった、いろいろと驚きの1台だ。
実は、そんなNSXタイプR-GTを発売直後に購入した人が、世界にたった1人だけいたのだ。それが化粧品や健康食品の通販で有名な(株)DHCの代表取締役会長・吉田嘉明氏だった。
納車当時、本誌増刊『ベストカープラス』の取材を受けた吉田会長は、「5台限定なら、5000万円でも安いと思い1号車をオーダーした」と購入を決断したことを明かしていた。
■現在の状態は?→現存
ホンダ広報部によると、「吉田会長は普段NSXには乗っていないが、定期的に点検整備を受け、いつでも乗れる状態にしてある」とのことだった。世界にたった1台しかないNSXは、大切に保存されていた。
■パイクス総合優勝、モンスタースポーツのカルタス&エスクードは?
アメリカのコロラド州、パイクスピークの観光道路を舞台に開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。その競技で日本人初の総合優勝を飾ったのが田嶋伸博氏だ。
田嶋氏は1992年に、800㎰に達した「スズキスポーツ・ツインエンジン・カルタスTYPE2」を駆り、アンリミテッドクラス優勝。翌年(1993年)もクラス優勝(総合2位)を飾った。
そして1995年、パイクスピークにおいて、日本人ドライバーの操る日本車として初めて総合優勝を成し遂げたのが「スズキスポーツ・ツインエンジン・エスクード」だ。
900㎏という車両重量のシャシーに、450㎰を発揮するエンジンを前後に1基づつ搭載。その加速性能はF1マシンを凌ぐとも言われた。
モンスタースポーツのツインエンジンのマシンは、世界で唯一成功したといわれており、パイクスピークの歴史にその名を輝かせている。
■現在の状態は?→現存
「1995 ツインエンジン・エスクード」は、タジマ袋井国際次世代自動車センターにて資料車として動態保存。 「1993 ツインエンジン・カルタス」は、コロラドスプリングスのミュージアム「コロラドスプリングス ペンローズ歴史博物館」に寄贈され、当地で永久保存されているそうだ。
※タジマ袋井国際次世代自動車センターの所在地/静岡県袋井市宇刈二ノ谷3-4
※コロラドスプリングス ペンローズ歴史博物館
https://www.elpomar.org/About-Us/penrose-heritage-museum/
コメント
コメントの使い方1995 ツインエンジン・エスクードがまだあったですか..よかったです!
ところで、あの赤いパイクスピーク エスクードはどうなったのでしょう?