雨の日に視界を確保するために活躍するワイパーですが、ワイパーゴムの劣化やガラス表面の汚れなどによって、ワイパーが小刻みに震えながら動く「ビビり」が発生することがあります。
ビビりが発生すると、フロントガラスの雨滴を均一に拭き取れなくなるため、視界不良になりますし、ワイパーがビビりながら動くときに発生する「ガガガッ」という音も不快。
本記事では、ビビりの発生原因や、ビビりを抑えてワイパーを長持ちさせる方法、そして、走行中に発生した場合の対処法について、紹介します。
文:Mr.ソラン、エムスリープロダクション
アイキャッチ写真:Adobe Stock_Sashkin
写真:Adobe Stock、写真AC
拭き残しができるだけでなく、ワイパーがダメージを受けることにも
ワイパーは、ワイパーアームとアームに連結されたワイパーブレード、ブレードに装着されたワイパーゴムから成ります。ガラス面に対して垂直に押し付けられたワイパーゴムが円弧運動することで雨を拭き取ります。
「雨を拭き取る」と表現しましたが、正確には、ワイパーは拭き取っているのではなく、薄い均一な水膜をつくっています。雨滴は、ガラス面に付着して凹凸を作るので、光を屈折させて視界を歪ませたり妨げたりしますが、ワイパーゴムで雨滴の層を均一にすることで、視界を確保することができるのです。布なら拭き取ることができますが、ゴムをスライドさせても雨滴を完全に拭き取ることはできませんよね。
正常に機能しているワイパーは、「スーッ、スーッ」という静かな音ですが、ビビり始めると「ギーィ、ギーィ」、「ガガガッ」といった不快な音を発生させます。ワイパーゴムがガラス面に対して均一に接触していないため、ワイパーが小刻みに震えてこのような音が鳴り、ガラス表面にスジ状の拭き残しが発生、薄い均一な水膜をつくることができなくなってしまうのです。
このまま運転を続けると、周囲が見えづらくなるばかりか、抵抗が大きい状態でワイパーが作動するので、異常な力が働いたワイパーアームやブレードが変形したり、作動させるモーターにも大きな負荷がかかるなど、ワイパーの関連部品がダメージを受けてしまいます。
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