大規模改良を受け、2022年4月20日から先行受注が始まっているフォルクスワーゲン ポロ。日本での年間販売台数は常に1万台を超えるという人気の輸入車だ。
そのVW ポロのホットモデルである「ポロGTI」の海外での試乗の様子をお届け!
※本稿は2022年4月のものです
文/木村好宏、写真/VW、写真・撮影/アクセル・ヴィーダーマン、キムラオフィス
初出:『ベストカー』2022年5月10日号
■ビッグマイナーチェンジしたVW ポロGTIの走りはいかに?
テスターの前に現われた赤いボディを纏った改良新型ポロGTIのサイズは従来モデルと変化はない。
ただしエクステリアは、グリル下方の赤いGTIラインと並行して走るLED、IQマトリックスヘッドライト(オプション)、そしてラジエターグリルの左右に2個のLEDドライビングライト、ブラック仕上げのドアミラー、さらに後方に回るとトランクリッドまで広がったLEDテールライトなどの新デザインで新鮮さをアピールしている。
インストルメントパネルは最新のゴルフGTIに準じてデジタル化され、ドライバーの正面には10.25インチのデジタルメーター、ダッシュボードにはタッチ機能を持つ9.2インチディスプレイが並ぶ。
インフォテイメントはVWグループ最新の機能を搭載。そして、アップルカープレイやアンドロイドオートもスマホを介してコンテンツや機能が使用可能だ。
パワートレーンは2L4気筒の直噴ターボで、最高出力は200psからやや控えめに207psへ向上。
最大トルクは32.6kgmと不変だが1500〜4500回転の広範囲で発生する。
ダイナミック性能は0-100km/hの加速が0.2秒速くなって、6.5秒、最高速度は238km/h(従来モデル236km/h)となっている。
■ゴルフGTIを脅かす存在となる!? 日本導入は今年中か
ゴルフGTIのスイッチのようなギアセレクターと違って、やや無骨だが操作感のあるシフトレバーを「D」にセットしてスタート。
走り出して7psのパワーアップは正直言って明らかには感じられないが、低回転域からのトルクの立ち上がり、そして回転の滑らかさが一段と改善されたのを感じる。
またソフトウェアの改良で変速時のフィールはゴルフGTI並みにクイックでスムーズになっている。
スタンダードのポロよりも15mm低められたスポーツシャシーには標準の17インチに代わってオプションの18インチタイヤ(215/40R18)が装着されていた。
路面からのインフォメーションの確かなステアリングは、スポーティで軽快なハンドリングを見せてくれる。
またタイトコーナーでスロットルを踏み込んでも、標準装備の電子制御デファレンシャルが前輪に掛かるパワーをスムーズにコントロールしてアンダーステアを出させない。
一方アウトバーンでは180km/h付近でも静かで安定したクルージングを楽しむことができる。
大幅改良したポロGTIはまさにホットハッチの魅力をフル装備したモデルで、ひょっとするとゴルフGTIの存在を脅かすかもしれないと思ったほどであった。
先進運転システムも充実しており、オプションのIQトラベルアシストを装備すればレーダーセンサーとカメラによって前方を監視、クルーズコントロールでは車線はもちろん地図データ、GPS座標を使って、制限速度、交差点、ラウンドアバウトなどを検知しながら一時的な手放しを許す半自動ドライブを210km/hまで可能にする。
また標準装備でも、車線逸脱警報や自転車や歩行者を検知する緊急ブレーキ、さらにドライバーの疲労を注意するアテンションアシストなどが用意されている。
* * *
この新しいポロGTIはドイツ国内ではベースモデルの価格が30万300ユーロ(約395万円、19%の付加価値税込み)で、すでに予約発注が始まっている。
日本での発売日や価格は3月中旬の時点では発表されていないが、おそらく今年中にはVWディーラーのショールームに並ぶだろう。
■VW 改良新型ポロGTI 主要諸元
・全長×全幅×全高:4074×1751×1446mm
・ホイールベース:2564mm
・車両重量:1361kg
・エンジン形式:直4DOHCターボ
・排気量:1984cc
・最高出力:207ps/4600rpm
・エンジン最大トルク:32,.6kgm/1500-4500rpm
・トランスミッション:7速DSG
・サスペンション(前/後):ストラット/トーションビーム
・タイヤサイズ:215/40R18(オプション)
コメント
コメントの使い方