ロードサービスでおなじみのJAFによると、高速道路におけるロードサービス出動理由のトップはタイヤのパンク関連で、次いで多いのが「ガス欠」。2017年度のデータをみると、出動回数延べ7万8333回のうち、ガス欠(燃料切れ)が原因の出動は全体の12.82%、実に9685件も発生している。
通常、車のメーター内には燃料残量警告灯があるため、その点灯でドライバーは燃料が減っていることに気づくことが可能だが、この警告灯が点灯しても即座にガス欠となるわけではない。
では、実際どのくらい燃料が残っている段階で警告灯が点灯するのか? そして、警告灯が点灯した“その後”、ガス欠は突然やってくるのだろうか。先日発生した北海道地震など、災害時はすぐに燃料を補給できない場合もあるだけに知っておきたい。
文:永田恵一
写真:adobe stock、編集部
燃料残量警告灯が点くタイミングは?
まず気になるのは、どのくらいのガソリン残量になると燃料残量警告灯が点灯するのかという点。軽自動車からハイブリッド、大型SUVまで主な国産車の取扱説明書に記載されている点灯タイミングは下記のとおり。
・ダイハツ ミライース/残り約4.5L(燃料タンク容量:28L)
・日産 ノートe-POWER/残り約6L(燃料タンク容量:41L)
・トヨタ プリウス/残り約6.4L(燃料タンク容量:43L)
・日産 GT-R/残り約12L(燃料タンク容量74L)
・三菱 パジェロ/残り約10L(燃料タンク容量:88L)
このデータから理論上は、日本車では燃料タンク容量の残り10~15%で警告灯が点き、その時点で燃料をセーブする運転に切り替えれば50kmは走れる計算が成り立つ。
そのため、慌てずに(停車できればスマートフォンやカーナビも使って)ガソリンスタンドを探せばよい。
警告灯が点灯した“後”は、メーター内に残り航続距離が出る車であれば、走り続けると具体的な航続距離の数字(km表示)が消え、給油を促すことが多い。
燃料が残っていても要注意!? ガス欠寸前に起きる症状
それでも給油できず「いよいよ本当にガス欠寸前」となるとどうなるか?
登り坂やコーナーで、残りのガソリンが偏るとエンジンにガソリンが届かず、「ブスッ、ブスッ」という息つき(俗に言うガス欠症状)が起きることもある。
逆に平坦な道や下り坂を走っているとガス欠症状が起きることは少なく、思っているよりもあっけなくガス欠、自走不能に至ることが多いようだ。
ただ、車によってガス欠~自走不能に至るまでの過程が若干違うこともある。
その例がハイブリッド車とディーゼル車だ。まず、モーター単独で走行できるハイブリッド車は、ガス欠してもバッテリーが残っていれば、その分(最大2km程度か)は走行できるので、自走不能になる前に給油が間に合う可能性もある。
2つ目がディーゼル車だ。ディーゼル車はガス欠してしまうとガソリン車以上に燃料系統のダメージやエア抜きの作業などが厄介。
そこで車によっては、燃料タンクに軽油がなくなる前に燃料供給をストップして、ガス欠後のトラブルを防ぐモデルもある。
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