【マナーでなく義務!!】救急車に道を譲らないクルマが増えている?? 意外な理由と大きすぎる影響

【マナーでなく義務!!】救急車に道を譲らないクルマが増えている?? 意外な理由と大きすぎる影響

 先日、救急救命士だとする人がSNSで「救急車に道を譲らない人が増えている」という主旨の投稿をし、話題となった。投稿主は「最近救急車を運転していて感じること」として「救急車に道を譲らない人が増えている」とし、「はやく医師に引継ぎたいんだ」「道を譲ってくれ。頼むよ。」と訴えている。

 実際に、総務省消防庁の資料によると、現場到着所要時間および病院収容所要時間は年々伸びており、現場到着所要時間は、平成28年のデータで、10年前(平成18年)よりも1.9分、病院収容所要時間は、7.3分も伸びているという。

 なぜ救急車に道を譲らない人が増えているのだろうか。

文:吉川賢一
アイキャッチ画像:Adobe Stock_jaraku
写真:Adobe Stock、写真AC

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緊急走行を妨げると、反則金6000円、違反点数1点

 救急車を含む、緊急車両に道を譲るのは「マナーの範囲」だと思っている方もいるようだが、道路交通法で決められているドライバーの義務であり、救急車(を含む緊急車両)に道を譲らない(=走行を妨害)すれば、交通違反となる。

 緊急走行中の緊急車両の走行を妨げる行為に関して、道路交通法では、「緊急車等妨害違反」と「本線車道緊急車妨害違反」という2つがあり、「緊急車等妨害違反」は、緊急走行中の緊急車両が自車に近づいているのにも関わらず、そのまま走行を続ける違反行為で、反則金は、普通車の場合だと6000円、交通違反点数は1点。「本線車道緊急車妨害違反」は、緊急走行中の緊急車両が、一般道や高速道路などで、本線車道に車線変更するときや、本線車道に合流するときに進行を妨害する違反行為で、こちらも同じく、反則金は普通車で6000円、交通違反点数は1点だ。
 
 この「緊急車両」に該当するものは、道路交通法第39条第1項において、「政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう」と規定されており、具体的には、救急車やパトカー、消防車のほか、JAFやハイウェイパトロール、電気やガスといったインフラ系の緊急作業車、自衛隊、日本赤十字社の血液運搬車、国土交通省の災害本部車や地方公共団体が所有する車両、など。いずれも緊急走行中、つまり、「赤色の警光灯が点灯しているとき」には、道を譲らなければならない。

クルマで走行中に緊急走行を妨げると、反則金6000円、違反点数1点。緊急車両に遭遇したら、しっかりと安全を確認したうえで、道を譲ろう(PHOTO:写真AC_ fujikiseki1606)
クルマで走行中に緊急走行を妨げると、反則金6000円、違反点数1点。緊急車両に遭遇したら、しっかりと安全を確認したうえで、道を譲ろう(PHOTO:写真AC_ fujikiseki1606)

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