古代中国で使われていた3本足の器を「鼎(かなえ)」という。三者で会談することを「鼎談(ていだん)」といったりなど、「三者が向かい合う形」にも鼎の文字は使われるが、同じ中国の「三国志」はまさにその形、三者の三つ巴の戦いだ。
クルマ選びにも「三つ巴の戦い」はある。新車を買う際、2台のライバルを前に「どっちがいいか?」と悩むことはよくあるが、そこにもう1台が加わるとより楽しく、より悩ましいクルマ選びになることは必定。
今回は同一メーカー同士、そして同一テーマでの3つ巴戦を開催、同じメーカーで買うクルマを悩むのもよく目にする光景だが、これで問題解決に一役買える!!?
●鼎戦ラインナップ
・トヨタ・手頃サイズSUV対決……ヤリスクロス vs カローラクロス vs ライズ
・ホンダ・カテゴリー越え対決……フィット vs N-BOX vs フリード
・スバル・1.8Lターボ対決……レヴォーグ vs フォレスター vs アウトバック
※本稿は2022年5月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年6月26日号
【鼎戦1:トヨタ・手頃サイズSUV対決】ヤリスクロス vs カローラクロス vs ライズ
カローラクロス ハイブリッドZ(299万円)は高価格だが、全長が4500mm以下のSUVでは、荷室長が最も長い。後席の頭上や足元も広く、乗り心地は相応に満足できる。
その点でヤリスクロス ハイブリッドZ(258万4000円)は、カローラクロスに比べて後席が狭く、4名で乗車すると窮屈だ。リアゲートを寝かせたから、背の高い荷物も積みにくい。乗り心地にも粗さが伴う。
価格はカローラクロスが40万6000円高いが、後席を使うファミリーユーザーなどには、価格差以上の価値を提供する。
ライズ ハイブリッドZ(232万8000円)は、後席と荷室の広さがヤリスクロスと同等で狭めだが、ボディも小さい。日本車で数少ないSUVの5ナンバー車になる。しかも価格はヤリスクロスZに比べて25万円以上安い。2名以内で乗車するなら買い得だ。
したがって1位はカローラクロス、2位はライズで、3位は機能と価格が少し中途半端なヤリスクロスになる。
【結果:カローラクロスの勝ち】
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