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配信元:TOYOTA
2022年8月15日 /
BC News
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、8月19日(金)から21日(日)にかけて、ベルギーのイープルを中心に開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「イープル・ラリー・ベルギー」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)の、3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。昨年に続きWRCとして開催されるこのターマック(舗装路)ラリーでの、初優勝を目指します。
2022 GR YARIS Rally1 HYBRID
前戦ラリー・フィンランドの終了後、1週間という短いインターバルを経て、戦いの舞台はフィンランドの未舗装路から、ベルギーの舗装路へ。昨年、初めてWRCとして開催されたイープル・ラリーは、非常にトリッキーなラリーとして知られています。
西フランダース地方のイープルを中心に展開するステージは農業道路が多く、直線的でハイスピードなセクションをジャンクション(曲がり角)で結ぶようなレイアウトが特徴です。道幅は全体的に狭く、そのすぐ脇には大きな排水溝があり、バンピーな路面も多くあります。
また、ジャンクションは大きくインカット可能なところが多くあり、路肩や畑の土や砂利が舗装路面に掻き出され、非常に滑りやすくなります。
ラリー・フィンランドで総合2位を獲得し、ドライバー選手権におけるリードを94ポイントに拡げたロバンペラは、今回イープルで優勝した場合、4戦を残して初のドライバーズタイトルを獲得する可能性があります。
昨年のこのラリーで、ロバンペラはチームメイトのエバンスを抑えて総合3位でフィニッシュ。初めて出場したドライバーの中では最高位を獲得しました。同じく初出場だったエバンスは、総合4位でした。
ラリー・フィンランドで総合3位に入ったラッピは、2014年のイープルにS2000車両で出場した経験がありますが、WRCトップカテゴリーカーによる出場は今回が初となります。
また、ラリー・フィンランドで総合6位を獲得したTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、今回もTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから、GR YARIS Rally1 HYBRIDで出場します。
今年のイープルでは、実験的なコンセプトカーであるGR YARIS H2も、競技開始前にテストカーとして毎日1本のステージを走行します。水素を燃料とするこのクルマのターボ・エンジンは、基本的に市販車と同じものであり、今年の富士24時間レースでチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラがチームオーナーの豊田と共にドライブしたGRカローラH2に搭載されるなどして、開発が続けられてきたものです。
WRCで4度世界王者に輝き、かつてトヨタWRCチームの一員としても活躍したユハ・カンクネンがステアリングを握ります。また、TOYOTA GAZOO Racingのカーボンニュートラル実現に向けた新たな取り組みとして、チームのサービスエリアでは、市販の水素燃料電池車「MIRAI」から供給されるエネルギーを使用します。
ラリーのサービスパークは今年もイープルの街中に置かれ、昨年は遠く離れた東部のスパ・フランコルシャン・サーキットで最終日を行ないましたが、今年は全ステージがイープルから半径30km以内に収まるなど、非常にコンパクトな構成です。
最初の走行セッションであるシェイクダウンは18日木曜日の夕方に行われ、競技初日となる19日の金曜日は、イープルの周辺で4本のステージを半時計周りに走行。ミッドデイサービスを経て、同じステージを再走します。
20日の土曜日も、金曜日と同じエリアが舞台となりますが距離は長くなり、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は133.22kmと、3日間で最長の一日になります。
最終日の21日、日曜日は2本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。有名なケンメルベルクで行われる最終のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で20本で、その合計距離は281.58km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は687.24kmとなります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表) イープルはとても難しく、ハイスピードなアスファルトラリーです。ハードブレーキングやインカットをするところが多く、舗装路面への土の流入もあります。
雨が降ると非常に滑りやすくなり、ドライバーは常に路面を読み、グリップの変化を判断する必要があります。昨年出場したことによって得た経験に基づき、今年はより良い準備ができたと思います。
ラリーの特徴を理解し、より適した道でテストを行なうことができました。ですので、昨年以上に競争力が高まり、十分に優勝を狙えると思っています。また、GR YARIS H2の走りを見るのも楽しみです。
私が章男社長と共に富士24時間レースに参戦したときもエキサイティングでしたが、今回は同じテクノロジーをラリーのステージで試すチャンスです。本当は私自身が運転したかったのですが、ラリーに集中するためそれはできません。ユハ・カンクネンが、水素を燃料とするクルマをどのように運転するのか、とても楽しみです。
(左から) エルフィン・エバンス / スコット・マーティン
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車) イープルはユニークなイベントで、ここ最近出場したラリーとは大きく異なります。ひとつ前のターマックラリーであるクロアチアと比べても、求められるものは大きく違います。長いストレートや曲がり角が多くあり、一見単純そうに見えますが、実際はそうではありません。路面の変化が激しく、道幅は狭く、バンピーなところもあります。そして、高速域から曲がり角に進入する際のブレーキングが非常に重要です。昨年はこのラリーへの出場経験があるドライバーたちが、その優位性を証明しました。しかし、今年はどのようなことが起こり得るのか予想し、クルマに何が必要なのかを理解した上で、事前のテストに臨むことができたので、ラリー本番でどれくらい戦えるのか楽しみです。
(左から) カッレ・ロバンペラ / ヨンネ・ハルットゥネン
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車) ベルギーに行くのが楽しみです。昨年は新しいイベントへのチャレンジを楽しみましたし、全体的に良い戦いができたと思いますので、今回も好結果が得られることを期待しています。ステージは大きくインカットする場所が多く、泥や砂利が路面に多く掻き出されるので、コンディションは非常にトリッキーになります。また、天候にも大きく左右され、昨年もそうでしたが、もしドライコンディションならば出走順が1番手の場合、少し土で汚れた路面を走ることになります。2週間前に行なったテストの内容は良かったですし、我々のクルマはかなり改善が進んだと思います。
(左から) エサペッカ・ラッピ / ヤンネ・フェルム
エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 HYBRID 4号車) イープルは、私にとって間違いなくタフなチャレンジになるでしょう。8年前にヨーロッパ選手権として開催された時に一度出場したことがあり、その時スピードは十分にあったのですがクラッシュをしてしまいました。それでも、再びイープルに出場するのが楽しみです。このクルマは、ターマックでもとても楽しんで走ることができます。前のクロアチアでは思うような結果を得られませんでしたが、クルマの走りの良さには満足していたので、自信を持ってベルギーに臨むことができます。他のドライバーたちのように昨年の出場経験はありませんが、それでも競争力はありますし、いい順位争いができると思っています。
2022年イープル・ラリー・ベルギー Map
(最新情報は www.wrc.com をご覧ください。)
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