クロスオーバーモデルとして、華々しくデビューされた新型クラウン。世界市場での販売に向け、デザインやユーティリティーは時代に合わせたブラッシュアップが行われ、様々なユーザー層から注目を集めている。
これまでのクラウンユーザーは平均年齢が高く、圧倒的に男性人気が高かった。大幅なイメージチェンジにより、クラウンを求めるユーザー層にも変化は起きたのだろうか。販売現場への取材をもとに、クラウン購入層の変化を確認した。
文/佐々木 亘、写真/ベストカー編集部
■圧倒的! 60代以上のクラウンユーザー
これまで登場してきたクラウンは15世代。今回の新型が16代目となるわけだが、長い間クラウンのメインユーザー層は変わっていない。
男女比は7:3から8:2の割合で男性が多く、購入ユーザーの年代構成比は60代以上が圧倒的であり、全体の半数以上を占めるのだ。
初代から高級感を売りに、日本車のトップを守り続けてきたクラウン。威厳や風格が重んじられ、「いつかはクラウン」という羨望の的になったのは言うまでもない。クラウンに乗ることができるのは成功者であり、地道に年功序列の日本企業の中で、長い間勤め上げてきた人に限られるというイメージもついている。
そうなると必然的に、購入年齢層は高くなるだろう。クラウンは、高度経済成長期に生まれ、バブル経済期を過ごした人たちにとっての、憧れの的だ。同価格帯の高級車は他にもあるが、それでもクラウンを選ぶ理由は、クラウンが若いころからの「憧れ」であったことが、大きな理由となっている。
■幾度も若返りを図ったクラウン! 今回は?
クラウンが少しずつ若年ユーザーの方を向き始めたのは、11代目の17系が誕生したころからだろう。8代目クラウンの特別仕様車に使用されたアスリートが、単一グレードとして復活し、走りの良い、カッコいいクラウンが登場する。
12代目はゼロクラウンと銘打ち、スタイリングを大幅に刷新した。今の30代前半の人たちが、幼少期に多く見かけた(乗っていた)クラウンであり、近年のクラウンと比較すればコンサバな外観が、若中年層からの支持を集めている。中古車としての人気も高い。
そして記憶に新しいリボーンを掲げ、人気アニメをオマージュしたCMを流し続けた14代目、そして先代にあたる15代目と、近年のクラウンは若返りを強く意識してきた。しかし、ユーザー層は大きく変化せず、60代以上が半数を占める状態は変わっていない。
クロスオーバーモデルとなった今回のクラウンは、果たしてどのユーザー層に刺さっているのか、販売現場の様子から紐解いていこう。
コメント
コメントの使い方SUVでさえ新車購入層は50代中心ですからね。イメージで若作りしてても実際は、の典型です。
若年層は軽やコンパクト、特に中古車に非常に多いですが、そんな中で、20代や30前半購入者の特別多い車にBRZがあるのが嬉しいです。