長年に渡って国産セダンの代表格として君臨してきたクラウンが、先のモデルチェンジでまさかのクロスオーバーモデル化したことにより、一気に注目を集めるようになったのが「クロスオーバー」という呼称。
では、このクロスオーバーとはどんな種類のクルマを指すのか? そして従来のSUVとの違いとは? 今回は将来的にもさらなる増加が予想されるクロスオーバーモデルについて考えてみたい。
文/長谷川 敦、写真/トヨタ、マツダ、日産、三菱自動車、スバル、FavCars.com
【画像ギャラリー】今さら聞けない!? クロスオーバーSUVとSUVの違いを白黒させよう(14枚)画像ギャラリーそもそも何が“クロスオーバー”なのか?
クロスオーバー、あるいはクロスオーバーSUVと呼ばれるカテゴリーは、クルマの世界では比較的最近登場してきたものだ。まず、SUVの意味からおさらいしておくと、これは「スポーツユーティリティビークル」の略で、「スポーツ向け多目的自動車」のこと。一般公道はもちろん、山岳や河川の砂利道、そして砂の多い場所でも走れるようなクルマがSUVだ。
かつてこのようなクルマは「クロスカントリー車」や「RV(レクリエーションビークル)」などと呼ばれていたが、これらは本格的なオフロードモデルも包括する言葉であり、もう少しライトユーザー寄りのモデルをSUVと呼称して区別していた。しかし、時代が進んでSUVの名称が浸透すると、クロスカントリー車やRVもSUVに含まれていた。
さて、ここでクロスオーバーの登場となる。クロスオーバー(Crossover)とは、本来は「交差点」や「歩道橋」を意味する英語で、これが転じて「ジャンルを超えて交差するもの」をクロスオーバーモデルと呼ぶようになった。クルマの場合は「普通車でありながらSUV的な要素も併せ持つ」のがクロスオーバー(SUV)ということになる。
近年になって「一般公道をメインにしつつも、レジャーなどでオフロードも走り、さらには荷物もたくさん載せられるクルマ」の需要が高まり、こうした流れに乗って登場したのがクロスオーバーSUVだ。
クロスオーバーSUVとSUVの違いとは?
外見上はよく似ていて、その区別をつけづらいクロスオーバーSUVとSUVだが、実際にはどのような違いがあるのだろうか?
クロスオーバーの特徴は一般的な乗用車をベースにしていること。本格派のSUVモデルが走破性を重視してメインフレームとボディを分けた構造(ボディオンフレーム)を採用しているのに対し、クロスオーバーではボディとフレームが一体となっている。この構造には軽量化やコストの抑制などメリットも多いが、地上高を高くできず、フレーム剛性もボディオンフレームに比べると低いなどの弱点も見られ、オフロードでの性能は本格的SUVに分がある。
しかし、本格的SUVを日常使いする場合、日本の一般道路では“ゴツすぎる”ことも多く、あくまで通常使用の延長線でレジャー利用する場合はクロスオーバーモデルのほうが便利と言える。
こうした理由から、日本ではクロスオーバーモデルに注目が集まるようになり、日本独特のクロスオーバーSUVが登場した。そしてそれは海外でも同様で、アメリカでも現在販売されるクルマの多くがクロスオーバーSUVとなっている。
コメント
コメントの使い方【電動クロスオーバー】が増えすぎ&今後も発表待ち多過ぎで、食傷。辟易。
つまるところ重いバッテリー積みたいから、流行のSUVっぽくして見た目ゴマカシ、SUVだから高額でも車体デカくても電費悪くても悪路走破性なくてもいいよねっていう逃げ口上が【電動クロスオーバー】なわけで
新型クラウンはセダンでありつつSUV的要素を取り込んだクロスオーバー、スカイラインクロスオーバーはSUVでありつつクーペ的要素を取り込んだクロスオーバー。
言葉尻を追いかけても意味がありません。何と何のクロスなのか、それだけ把握してればOK。