マツダ渾身の新型車「マツダ3」が、ついに米国ロサンゼルス・オートショーでお披露目された。マツダ3は、日本ではアクセラとして販売されているマツダの基幹車種。この新型は2019年夏に日本発売予定で、世界で初めて量産化される次世代エンジンも搭載されるとあって、業界内外で注目を集めている。
しかし、「中身」だけでなく、その「外見」も相当アグレッシブだ。通常コンセプトカーから市販型へと煮詰められる過程でデザインは変化を遂げるが、このマツダ3の市販型は、ほぼコンセプトカーと変わらぬデザインを纏っていた。
まだその多くは伝えられていない現地取材で掴んだ全容をもとに、新世代マツダの鍵を握る新型アクセラの“本気度”を占う。
文:松田秀士
写真:MAZDA、Newspress Ltd
“外見”も攻めた! ハッチバックはコンセプトカーと瓜二つ
ついに新型アクセラがベールを脱いだ。LAオートショー前夜、ロサンゼルスにあるお洒落な会員制カンファレンスセンターでのこと。都会的エッセンが漂う建物の壁には“CAR AS ART”というスペシャルロゴが特別に貼り付けられている。入口には2015年の東京モーターショーで絶賛されたRX-VISIONが置かれていた。
会場内に足を踏み入れると、ベールで隠された2台のバックウォールには“MAZDA DESIGN”の文字。もう、何から何までがデザインありき。とにかくデザインを見てくださいよ、と言わんばかりだ。
やがて、ショーが始まり最初に登壇したのは丸本明社長だ。いきなり社長が登壇するあたり、マツダがいかに新型アクセラに力を入れているかが伺える。
現行モデルのアクセラはCX-5に次ぐ主力車種でもあり、オーストラリアではハッチバック&セダン市場で販売ナンバーワンのモデルなのだ。
では、新型アクセラはどのように進化したのか? アンベールされた2台は予想通り。一番の売れ線となるであろう5ドアハッチバックのデザインは、予想通り。2017年の東京モーターショーで発表された「KAI CONCEPT」のデザインスタディをそのままキャリーオーバーしているように見えるのだ。
ここまでやるとはちょっと予想以上。サイドラインに流行りのキャラクターラインらしきアクセントはなく、まさにあのKAI CONCEPTどおりの湾曲したウェストラインだ。
ショルダーからステップにかけて絞った曲面は、光の当たり具合や見る方向によって色合いが変化する。光の影を操るシルエットがなんとも妖艶で美しい。色気がある。リアにかけてボリュームがありグラマラスだが、ホットハッチと呼ぶにはもったいないほど。
セダンは初代カペラを彷彿とさせる流麗デザイン
一方、セダンがまた良い。こちらは完全に我々世代のオジンでも抵抗なく乗れる。サイドラインからリアへのボリューム感は抑えめに、違和感なくリヤに流れるライン。これがとても上品に映る。
リアビューはコンビネーションランプが古のMAZDAを想起させてくれる、と感じるのはボクだけだろうか? ロータリーエンジンを搭載した初代カペラを思い出すのだ。5ドアハッチは斬新、4ドアセダンは流麗。そんなイメージだ。
訪れた外国人プレスも口々にデザインを褒めたコメント。新型アクセラの5ドアハッチと4ドアセダンにおける外板の供用パーツはボンネットとAピラーだけ、というから驚きだ。それはもう別のクルマといっても差し支えないだろう。
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