今やトヨタの新車を購入するひとの多くが装着するにまでなった純正カスタムパーツのモデリスタ。エアロパーツや細々としたパーツのイメージが強いが、じつはコンプリートモデルを作っていたことも。
その筆頭が初代&2代目モデルに設定されていた限定販売のハリアーザガートなるモデル。ノーマルモデルの倍近い値段という衝撃価格であったが、内容を見れば納得でもあった。そして今中古車市場で超絶高値で取引されているのだった。そこで改めてハリアーザガートのやりすぎ伝説を!
文/小鮒康一、写真/TOYOTA
■デビュー早々に登場した初代ハリアーザガート
ザガート(現SZデザイン)といえばイタリアのカロッツェリアとして知られ、アルファロメオやランチアなど、イタリアのメーカーの車両を中心に数多くの印象的なデザインを持ったモデルをリリースし続けていることでも有名だ。
日本では1989年にオーテック(現日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社)とタッグを組んでリリースされた「オーテック ザガートステルビオ」の存在が知られるところだが、実はこのモデル以外にも日本車をベースにザガートが手掛けたモデルが存在していた。
それが今やプレミアムクロスオーバーSUVとして確固たる地位を気付いた「トヨタ ハリアー」である。
1997年にデビューした初代ハリアーは、高級車の乗り心地と快適性を持ち合わせたSUVをテーマに誕生したもので、それまで存在していなかった「プレミアムクロスオーバーSUV」というジャンルを開拓した第一人者であることはご存知の人も多いことだろう。
■初代ハリアーザガートはノーマル比で80万円アップ!! でも超割安だった
当時は前例のない新ジャンルに投入された車種ということもあって、成功するかどうかは不透明だった。そんななかデビュー直後にザガートの名前を冠したハリアーが早くも投入されたのだ。
発表こそデビューからおよそ半年後の1998年5月だったが、97年12月にハリアーがリリースされた直後に開催された東京オートサロンにはすでにプロトタイプが展示されており、ハリアーのプレミアム路線を確固たるものにするために当初から仕組まれていた1台と考えていいだろう。
そんなハリアーザガートは、ベースこそハリアーであるものの、両側で85ミリワイドとなるブリスターフェンダーを備え、前後パンパ―も専用のものを装着。
フロントグリルやクラディングパネル&サイドマッドガードにリアスポイラーと、クルマのほぼ全周に渡ってザガートオリジナルのエクステリアパーツが装着されていた。
またアルミホイールもゴールドに塗られたイタリアンテイスト溢れる凝ったデザインのものが装着されており、足回りにも25ミリダウンとなる専用サスペンションがおごられるなど気合いの入ったものとなっていた。
インテリアはエクステリアほどの変更はなかったものの、アイボリーの表皮を纏ったファブリックシート(オプションで本革の設定もあり)や木目調のインパネオーナメントが装着されるなど、ザガートの名前に相応しいアップデートがなされていたのだった。
この初代ハリアーザガートは200台の限定で、価格は3,635,000円。ベースとなったV6・3Lエンジンを搭載した前輪駆動モデルの3.0Gパッケージが2,845,000円だったから、およそ80万円アップということになるが、内容を考えればむしろ割安と言えるほどだろう。
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