2018年11月19日、東京地検特捜部により電撃的に身柄を拘束された日産自動車の元CEOカルロス・ゴーン氏。拘留期限が切れる12月20日に保釈される可能性が報じられましたが、21日に再逮捕され、少なくとも年明けまで拘留されることがほぼ確定となりました。
事件の全容は今後徐々に明らかになってゆくはずですが、何度もゴーン氏にインタビューしてきた当編集部では、別の角度からゴーン氏の「人となり」を調査・紹介してゆきたいと思います。
本稿では事件直後に判明した、ゴーン氏行きつけの超庶民派焼き鳥屋さんへの取材記事です。そこは東京都港区にある「串若」という店で(JR田町駅から徒歩5分)、なんと容疑発覚・逮捕拘留の翌日11月20日も予約を入れていたとのこと。当然、ゴーン氏はお店には行けずじまい。話題のドタキャンですか(そういう問題ではない)。
ゴーンさん、普段はどんな酒を飲んでいたのか? この店でも領収書をもらって日産の支払いにしていたのか?(※電話取材を敢行したのは2018年11月21日/当記事メイン写真はいまも店内に貼られている店長とゴーン氏の写真)
文:ベストカー編集部
2019年1月10日号「アポなし日本全国電話調査」より
■焼き鳥店「串若」店長「お酒は飲まず水を」
ベストカー:もしもし、ゴーンさんはいつ頃からこちらの店に来ていたんですか?
店長:来日間もない1999年頃、知人に連れられて来たのが最初で、気に入っていただき、それからは月1回ほどのペースで見えられますね。
ベストカー:やはり支払いは割り勘とか? あるいは領収書を出してもらって日産払いですか?
店長:いやいや(苦笑)。来るときは家族と一緒かおひとりなので、支払いはすべて自腹ですよ。「俺が払う」という感じで。家族といってもここ数年は、娘さんが来日された時に一緒に来店されるくらいです。仕事関係の人と? いやー、それはないですね。
ベストカー:仕事関係なら割り勘もありえると思いましたけど……。でも「俺が払う」と格好よく言ったあと「領収書ください」なんて言いませんでした?
店長:それはないですよ~(笑)。
ベストカー:「仕事関係の人とは来ない」ということは、仕事から離れ、プライベートの場としてこのお店が心地いいということなんでしょうねぇ。ゴーンさんは主に、どんなお酒を飲んでいましたか?
店長:水しか飲まないです。
ベストカー:え? 水だけ。水って、いわゆる「お冷」ですか。フランスつながりでエビアン水とかではない?
店長:普通の水です。東京都の水。たま~に赤ワインは頼みますけど。
ベストカー:ストイックというか……。ウーロン茶などを頼めばいいのに(億単位の収入なんだから)。それで、差し支えなければお伺いしたいんですが、ゴーンさんがよく注文するメニューはなんだったんでしょうか?
店長:お気に入りは和風サラダ(620円)。サニーレタス、大根、ワカメ、コーン、トマトなどが盛ってあり、和風ドレッシングは自慢の自家製です。そのほか、串物ではアスパラ巻き(280円)、ねぎま(250円)などがお好みです。
ベストカー:庶民的ですね~。高めのメニューばかり頼んでいたわけではないんですね?
店長:その和風サラダが当店では一番高いメニューですので。今回、ああいうことになったけど、ゴーンさん、気さくでいい人ですよ。
ベストカー:会話もよくしたんですね。店長さん、フランス語か英語が堪能なんですか?
店長:英語を少し……だけね。
ベストカー:すばらしい。それで、店頭と店内にゴーンさんとお店の方が一緒に写っている写真が貼ってあるけど、今後もずっとそのままに?
店長:はい。この写真を撮った時も、本人から「ずっと貼っておいてほしい」と言われましたし。私としても写真をはがすつもりはないです。私としてはゴーンさんを信じていますので。また、いつの日か来店してほしいです。
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ベルサイユ宮殿を貸し切って結婚式を挙げた同じ人が、ひとり東京都の水を飲みながらねぎまを食べる……。物凄いギャップではありますが、ゴーンさんの人間性が垣間見えるエピソードでした。
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