2022年10月19日、米国エネルギー省(DOE)は、2021年11月に成立したインフラ投資雇用法に基づき、電気自動車(EV)用バッテリーの国内生産拡大を目的としたプロジェクトに対し、12州の20社に合計28億ドルの助成金を付与すると発表した。日本円にして約4000億円。
この大規模な政策によりアメリカにおける自動車の電動化はどう動いていくのか? 各自動車メーカーの取り組みから分析していく。
※本稿は2022年11月のものです
文/ベストカー編集部、写真/HONDA、米ホワイトハウス ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年12月10日号『近未来新聞』より
■アメリカのEV投資が急加速!!
これまで、電気自動車のけん引役といえば、中国と欧州で相場が決まっていた。ところがここへきて、アメリカが逆転するのではないかという声が出ている。
欧州や中国がウクライナ情勢やゼロコロナ政策で苦慮しているうちに、米バイデン大統領のインフラ政策が動き出したためだ。
そのインフラ政策だが、2021年暮れに決まった「超党派インフラ投資法」がそれ。
総額1兆ドル(約145兆円)もの資金を老朽化した道路や鉄道網の更新に充てる法律だが、その第1弾として28億ドル(約4000億円)が、自動車の電動化への投資として12州のおよそ20社に割り当てられたのだ。
もちろんこの動きと連動して、自動車メーカーも動き出した。GMやフォードはもちろんだが、勢いがあるのがドイツ勢だ。
たとえばフォルクスワーゲンは、テネシー州チャタヌーガ工場でEV「ID.4」の現地生産を始めたし、メルセデスベンツもアラバマ工場で、セダンの旗艦モデル「EQS」の生産を始めた。
BMWは中国エンビジョンと組んでサウスカロライナ州スパルタンバーグ工場での電気自動車生産を始めると発表、おそらくiXなどSUV系を生産すると思われる。
■日本メーカーの動きは?
日本勢も負けてはいない。
すでにトヨタがノースカロライナに北米初のバッテリー工場を建設中だが、このたびホンダが、オハイオ州の既存3工場をEV生産の拠点として刷新すると発表した。
ホンダは電動化でGMと組んでいるが、オハイオで作られるのは独自の「Honda e:アーキテクチャー」を用いた車両のようだ。バッテリーについては韓国LGと合弁工場を稼働させるという。
2030年には市販乗用車の50%をゼロエミッション車とする目標を掲げるアメリカ。21世紀後半には意外と「電動車大国」になっているかも!
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