「かわいい」路線で、若い女性を中心に爆発的な人気があるスズキ「アルトラパン」(以下「ラパン」)。車名の「ラパン」とはフランス語で「うさぎ」のこと、今年2023年は「ラパン」の年なのだ。昨年2022年には、ラパンLCも登場し、その人気は衰えるところを知らないラパン。ウサギ年の年始めのいま、ラパンの魅力を振り返ろう。
文/吉川賢一、写真/SUZUKI、ベストカー編集部
■「おしゃれなニューレトロ」と、圧倒的な低価格で人気モデルに
まずは簡単に、歴代ラパンを振りかえってみよう。初代ラパンは、人気の5ドアハッチバック軽セダン「アルト」の派生車として、2002年に誕生。
正統派路線をいくアルトとは一線を画し、ラパンでは徹底的に女性をターゲットユーザーとする商品開発が施され、エクステリアは、若い女性に人気のある「ニューレトロ」を意識して、外観は四角くフロントウインドウは立ち上げて、フロントフェイスはゆるさを表現。また、背の低い女性でも運転がしやすいよう、全高は低めに設計された。その狙い通り、購入者の90%が女性で、そのうち60%が20~30代だったそう。
こうして若い女性に一躍人気となったラパンは、2008年に登場した2代目でもニューレトロを継承。初代モデル同様、こちらも人気モデルとなった。
現行型となる3代目ラパンは2015年に登場。「可愛さ」は追求しつつも、子供っぽさを出さない、を目指して設計されたという3代目は、クラシカルでおしゃれな雰囲気の丸形メーター(インフォメーションディスプレイ付)や、まるでテーブルのようにも見える木目調のインパネ、天井のキルト地など、素材の使い方にも工夫が織り込まれた。2018年12月には、大人らしく落ち着いた印象の特別仕様車「ラパンモード」を追加、こちらも人気モデルとなった。
昨年2022年には、ラパンモード廃止と同時に、さらにクラシカルな要素を強めた「ラパンLC」が登場。ナチュラルな色味をつかった2トーンを含むカラーバリエーションも用意されており、ホワイトのアルミホイール(センターキャップ付)も合わせればトータルコーディネートも完璧。インテリアも、レザー調とファブリックの上質なシートや、2トーンのハンドルレザーなど、ラパンよりもラパンらしい世界観となっている。
ラパンが上手かったのは、本物のレトロではなく、若者が「レトロ」だと感じられる要素を上手く抜き出した、「ニューレトロ」といったデザインを狙ってきたところ。また、ラパンは税込125万円(G 2WD)から、ラパンLCは税込140万円(L 2WD)からと、大変リーズナブルで、他のクルマよりも手に入れるハードルが低いことも魅力のひとつだ。
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