■価格は抑えめだけど、弱点は運転支援技術がひと世代古いこと
そんなラパンだが、弱点を挙げるならば、被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線逸脱警報、ヒルホールド機能といった予防安全技術はそれなりに備えているものの、追従式クルーズコントロールや操舵支援技術などが未搭載であり、他メーカーに比べると運転支援技術の遅れが目立つことだ。特に、(トヨタの先進支援技術を享受できる)ダイハツの軽自動車と比べると、2歩ほど後れをとってしまっている。
スズキ車でも、スペーシアには、アダプティブクルーズコントロールや車線逸脱抑制機能が設定されているので、スズキにも運転支援技術があるのだが、もちろん、それらの搭載には車両価格の上昇が伴う。実は、(ラパンのベースである)アルト(2021年12月に新型が登場)も、先進運転支援技術の設定がない(オプションでも選べない)。
おそらくスズキは、このクラスのクルマのオーナー達は、ほとんど使わない先進運転支援よりも、価格を抑えたり、ボディカラーのバリエーションやインテリアの質感を上げたほうが有効だと考え、割り切った設計をしているのだろう。
ホンダのように、「ホンダ車の関わる交通死亡事故ゼロ」を目指して、全車に運転支援技術を全車標準化するメーカーもあるなか、ユーザーの予算に合わせた価格の実現と、ターゲットを絞ることで商品価値を追求したのが、ラパンということなのだろう。
■次期型ラパンは2024年ごろ登場か!?? オススメグレードはズバリ、ラパンLCの「X 2WD」(158万円~)
いまラパンを購入するならば、やはり「ラパンLC」がおすすめだ。グレードは、2トーンルーフ仕様車の最上級グレード「X 2WD」をおすすめしたい(税込158万9500円~)。2022年6月に登場したばかりの最新モデルであり、ニューレトロな雰囲気はラパンよりもさらに上。実際、2022年の販売は、ラパンを含めて、ラパンLC「X」が最も多いようだ。
ラパンLCには、この「X」グレードのほか、ベースグレードの「L」(税込140万円~)というグレードがあり、その価格差は約14万円。ちなみに2トーンルーフは4万5000円ほど追加となる。装備の差は、助手席シートヒーター、UV&IRカットガラス、2トーンルーフ(Xのみ)、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、14インチアルミホイール、木目調のシックインパネ、ドアトリムクロス、6スピーカー(Lは2つ)などだが、15万円分の価値は充分にあるだろう。
さらに、クルマの前後左右を真上からモニターで確認できる「全方位モニター用カメラパッケージ(税込5万2800円)」と、それを表示する「バックアイカメラ付ディスプレイオーディオ(税込5万2800円)」をセットで装着しても、車両総額はおよそ税込169万円。令和時代の軽自動車とは思えないほど、リーズナブルだ。
現行型のラパンは2015年登場なので、そろそろ8年目。通常ならば、7~8年でフルモデルチェンジとなるところだが、ラパンLCが2022年6月に登場したことで、現行モデルが延命されたかたちとなった。おそらく、次期型ラパンは2024年ごろ登場することになるだろう。
次期型ラパンは、懸念される先進運転支援技術を搭載するのか、そしてそもそもガソリンエンジン車として登場してくるのか(バッテリーEVの可能性が大いにある)、次期型ラパンの登場が楽しみだ。
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