懸案だった「電動キックボードの規制緩和」が最終局面を迎えている。いよいよ道交法の改正内容が明確になり、本日1月20日からパブコメを募集開始。早くも今年7月から正式に導入開始される見込みだ。
動力で自走するにも関わらず免許とヘルメットが不要で、バックミラーや速度計もナシ。さらに違反しても罰金は自転車と同等という。本当に大丈夫なのか……? 問題点を探っていきたい!
文:沼尾宏明/写真:警察庁、国土交通省、ホンダ、AC
さすがに小回り右折は回避されたが・・・・・・
――異次元緩和。まさにこの単語が相応しいのが今回の電動キックボードを含む「特定小型原動機付自転車」(以下、特定原付)に関わる改正である。
1月19日、警察庁は電動ボードの規制緩和を含む道路交通法改正案の詳細を公開。7月1日に施行する方針だ。
これまでのおさらいを兼ねて内容を解説すると、最高速20km/h以下の電動キックボードなど電動コミューターを「特定原付」という新区分に位置付ける。免許は不要で、16歳以上が運転でき、ヘルメットの着用は努力義務とする(つまり被らなくてもOK)。
車体は長さ190cm以下、幅60cm以下が条件で、特定原付のナンバープレートと自賠責保険が必要。保安基準に適合したブレーキやウインカーを備える必要があるが、後写鏡(バックミラー)やスピードメーターは不要だ。速度計の代わりに、グリーンに点灯する最高速度表示灯が義務付けられる。
走行帯は、自転車と同様に車道や自転車専用レーンだ。
右折に関しては、自転車などの「軽車両と同じ」とされた。つまり従来の原付らと同様、二段階右折が必要だ。特定レンタル事業者の電動キックボードに関する限定エリアでの社会実験では、「小型特殊車両」の扱いで右折レーンから曲がる「小回り右折」が採用されたが、さすがに無謀だったせいか、これはナシとなった。
さらに「特例特定小型原動機付自転車」(以下、特例特定原付)の区分を新設。こちらは最高速を6km/hまでに制限した車両で、自転車が通行できる歩道を走行可能だ。グリーンの最高速度表示灯は点滅状態が義務化され、要件が整えば1台で20km/の特定原付と6km/hの特例特定原付の切り替えも許可される。
なお、従来どおり最高速20km/h超の電動キックボードは免許とヘルメットが必要。従来の原付一種(50cc以下)は新たに「一般原動機付自転車」と呼称されることが新たに改正案として出された。
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