まさかまさかの電撃人事だった。2023年1月26日、トヨタ自動車の豊田章男社長が会長となる人事が発表された。時にはモリゾウさんとしてラリーやレースにも出場する豊田社長。親愛なるクルマ好き、豊田社長が生み出した傑作車を紹介しよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部
■GRブランドを確立させた功績
この記事のタイトルにあるクルマ好きなら一度は聞いたことのある名言。
「僕はね、ガソリン臭くてね、燃費が悪くてね、音がいっぱいでる、野性味あふれるクルマが好きなんです」
これは東京モーターショーのトークショーで豊田章男社長が本音を漏らしたシーンだ。こんなクルマに対してアツい人が世界的な自動車メーカーの社長でいてくれることに、日本のクルマ好きは沸き立ったはずだ。
そんなトヨタが展開するスポーツブランドといえば「GAZOO Racing」を発端とする「GR」。いまやGRスープラ、GRヤリス、GRカローラ、GR86と4車種をラインナップする規模になったGRだが、トヨタにGRがあるのは豊田社長の大きな功績のひとつだ。
2007年にトヨタのマスタードライバー(開発ドライバーの精鋭)である成瀬弘氏(故人)が実験部のドライバーたちとニュルブルクリンク24時間レースに参戦した。
参戦ドライバーのなかには成瀬氏から薫陶を受けた副社長の姿もあったた。それが豊田社長本人である。世界的自動車メーカーの副社長がレースに参戦する、しかもニュルブルクリンクという危険なコースで。当時の世間の反応は決してポジティブなものばかりではなかった。
途中、ドイツでの成瀬氏の事故死という悲しい出来事も乗り越え、GAZOOレーシングは徐々にその活動規模を広げていく。当初はモータースポーツ活動の組織と思われていたが、徐々に車両評価に携わる社員などにその渦は広がる。
そして2017年には「GAZOO レーシング カンパニー」がトヨタのカンパニーとして設立され、そこからの躍進はご存知のとおり。GRを冠した車種、GRMNというコンプリートカーなど、市販車をもっと鍛える活動を達成してきたのは説明するまでもないだろう。
気が付けばトヨタは国内メーカー最多となるスポーツカーを擁するメーカになった。15年前のトヨタにそんな姿を予想できただろうか。
コメント
コメントの使い方GRのカンパニープレジデントである佐藤氏が社長になるんだから、そのやり方は間違いなく引き継がれるでしょうね。