スポーツセダン並みのルックスで大反響を巻き起こしているトヨタ プリウス。しかしすごいのはカッコだけじゃない。運転支援の中身も大進化を遂げているのだ。いったいどんな進化なのか。具体的に紹介しよう!
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部
■カーブ走行時にはステアリング操作の支援までやる!
まずはプリウスが搭載している運転支援のためのセンサー類だが、フロントウインドウに単眼式カメラを、前後バンパーの4隅とフロントグリル中央部に計5つのミリ派レーダーを備えている。ミリ波レーダーは従来の24GHz帯仕様から最新の77GHz帯仕様へと進化しており、より遠くの物体が検知可能となった。
これらのセンサーによって、プリウスはほぼ全方位の運転支援と予防安全を実現しているのだが、なかでも素晴らしいと思われる機能をピックアップしてみよう。
(1)プリクラッシュセーフティ(全車標準装備)
衝突回避や被害軽減を担うプリクラッシュセーフティだが、まず直進時には昼夜を問わず、車両はもちろん歩行者や自転車も検知してくれる。さらに交差点右折時には向かってくる対向車を検知するほか、右左折する際、横断歩道上にいる歩行者や自転車も検知する。また細い道から大通りなどに合流する際、直交して走る車両や自動二輪車を検知し、出会い頭の衝突回避も支援してくれる。
(2)緊急時操舵支援(Zに標準装備、Uに「フロントクロストラフィックアラート」「レーンチェンジアシスト」とセットでメーカーオプション)
車両や歩行者、自転車などと衝突する可能性があるとき、自車線内に回避するための十分なスペースがある場合は、ドライバーによる操舵がなくてもシステムが弱いブレーキをかけながら操舵を行い、車線内で衝突を回避してくれる。
(3)プロアクティブドライビングアシスト(全車標準装備)
歩行者や自転車、駐車車両などに接近するとき、近づきすぎないようにステアリングとブレーキの操作をサポートするほか、先行車が割り込んできた時やカーブへ進入する時には減速をアシストする。また信号のある交差点に接近する際、ウィンカーなどから右左折を判断すると自動で減速してくれるほか(トヨタ初)、カーブを走行する時にはステアリングの反力(操舵の重さ)を制御してクルマのふらつきや操作遅れを防止する(トヨタ初。同一車線内のみ)。
(4)後方車両接近告知(トヨタ初・ZとGに標準装備)
ブラインドスポットモニターの後側方のミリ波レーダーを利用して後方から迫ってくる車両を検知する。車両が接近した場合はマルチインフォメーションディスプレイやブザーで知らせるので、あおり運転への対処に役立つ。
(5)周辺車両接近時サポート(トヨタ初・ZとGに標準装備)
後方車両が必要以上に接近してきた場合、マルチインフォメーションディスプレイへの表示と音声で「警察もしくはヘルプネットへの接続を提案し、接続後対処方法を伝えてくれる(携帯電話の接続やヘルプネットへの加入が別途必要)。さらにメーカーオプションのドライブレコーダー(前後方・Zにメーカーオプション)を装着していると、状況を録画して専用領域に保存する「イベント記録」を行ってくれる。
(6)ITSコネクト(Zにメーカーオプション)
車車間、路車間で通信を行い、安全性向上などにつなげる装備。交差点の出会い頭や右折時にクルマどうしで通信を行ったり、信号機の情報を読み取って対向車や横断歩行者への注意喚起を行うといったリスク低減を行う。画期的なのはこれを利用したレーダークルーズコントロールで、先行車も同様のシステムを搭載している場合は、先行車の加減速情報に反応することでよりスムーズな追従走行が可能になる。まだまだ普及率が低いので効果を生むのはこれからだが、未来を感じさせる最新の装備といえよう(2023年1月時点で路車間通信に必要な路側装置は一部都府県にのみ設置されている)。
というわけでいかがだったろうか。新型プリウスはカッコよさや経済性ばかりじゃなく、安全装備においても群を抜く1台だといえる。「安心して乗れるクルマがほしい」と考えているなら、その点でもプリウスはオススメできるといえそうだ。
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