まだまだ寒い日もあるが、暖かく感じる日も多く、花粉の飛散も始まるなど、春を感じることが多くなってきた。春は、花粉や(強い風による)砂埃や黄砂などによってクルマが汚れやすい季節。「黄砂や花粉はボディを痛めるから、この時期はマメに洗車している」という方は多いだろう。
しかし、冬が終わろうとしているこの時期は、ボディのみならずクルマの下回りもぜひ洗ってほしい季節。特に冬の間に降雪地域へ出かけたクルマには、融雪剤がまちがいなく付着しており、そのまま放置をしておくと錆へと進展し、クルマに重大な瑕疵をもたらすことにも。クルマの下回り洗浄の重要性とともに、DIYでもできるお手入れ方法についてもご紹介しよう。
文:吉川賢一
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写真:Adobe Stock、写真AC
定期的な手入れは必ず必要
ご存じのとおり、「錆」は、金属の表面が酸素や水分によって酸化還元反応を起こし腐食したもの。酸化還元反応によって、金属表面が電子を失ってイオン化し、脱落していくことで進行する。ひとたび錆が発生すると、その部分には水分や汚れが留まり、反応面積が増大するので、錆は加速度的に進行してしまう。
もっとも気を付けるべきなのが「海水」だが、雪が降る地域で道路などに散布される融雪剤にも注意が必要。融雪剤は主に、塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの塩分で構成されており、これら海水や融雪剤に含まれる塩分が、クルマの下回り(底)にチッピング(石はね)や跳ね上げた砂や小石などによってついた傷に付着してしまえば、簡単に錆に進展してしまう。
海岸沿いに住む方や、降雪地域に住んでいる方でなくとも、他のクルマが運んできた塩分の付着した泥汚れを巻き上げている可能性はある。マフラーやサスペンション、サブフレームなど、下回りには重要な部品が多い。定期的に水洗いが必要なのだが、融雪剤によるダメージが考えられる冬が終わるこの時期は特に、手入れをしてほしい時期なのだ。
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