いよいよ、この4月1日から東京のトヨタ系列の販売店4つが一つに統合される。いったい、東京のトヨタ販売は、これからどう変わるのか?
いっぽう、ユーザーの立場から見ると、何がどう変わるのか? メリット、デメリットはどうなのか? 新車ディーラーの取材を得意とする、ジャーナリストの遠藤徹氏が徹底取材した。
文/遠藤 徹
写真/ベストカー編集部、遠藤 徹
■4月1日から東京地区のトヨタ系列店が統合、一つの会社に
この4月1日から東京地区のトヨタ系列店が統合し、一つの会社が発足する。その名は「トヨタモビリティ東京」」だ。
これまでは「東京トヨタ」、「東京トヨペット」、「トヨタ東京カローラ」、「ネッツトヨタ東京」など別法人で、それぞれ取り扱う車種は専売、併売モデルと分けて販売していた。
それが4月1日からは全店併売となる。正確にはこの他東京地区には地場資本の「西東京カローラ」、「ネッツトヨタ多摩」、「ネッツトヨタ東都」があり、このうち西東京カローラは全車種扱いだが、他の2社は取り扱い車種の変更はない。
従来の専売モデルはトヨタ店がランドクルーザー、センチュリー、アリオン、トヨペット店はハリアー、ハイエース、アルファード、プレミオ、カローラ店はカローラ、ノア、パッソ、ネッツ店はヴィッツ、ヴェルファイア、ヴォクシーなどだった。
ただ東京地区は全国の他地域ディーラーとは多少取り扱い車種が異なる。全国だとトヨタ店はクラウン、トヨペット店はマークXがそれぞれ専売だが、東京地区はどちらも両系列店の併売となっている。
これが4月1日から全店舗で全トヨタ車を扱うようになる。併売車は複数系列店と全系列店扱いの両方があり、2系列店の併売車は全系列店扱いになる。
つまり専売車と2系列店併売車は全系列店扱いに切り替わることでセールスパワーがアップするので、そのぶん販売台数は5%程度増えることになりそうだ。
■販売店側のメリット、デメリット
販売店サイドから見るとメリットとデメリットの両方がある。今回、統合1か月を切った3月初旬に、現場の営業マンから聞いた話は以下の通り。
■販売側のメリット
●「ハリアー、アルファード/ヴェルファイアなど人気収益車が扱えるようになるので助かる」(トヨタ店)
●「ランドクルーザー、カローラ、ヴィッツなどが扱えるのは嬉しい。これまでは他系列店の取り扱い車種の購入希望ユーザーが来店すると紹介するだけだったが、これからは堂々と売れるようになるので嬉しい」(トヨペット店)
●「クラウン、ハリアー、アルファード/ヴェルファイアが扱えるので収益があがるし、ノルマが達成しやすくなる。」(カローラ店)
●「クラウンを扱えるのが楽しみ。クラウン1台の利益は専売モデルであるヴィッツの10台分に相当するのでかなり儲けられるようになる」(ネッツ店)
と、一様に歓迎一色のコメントだ。半面デメリットもある。「各店舗間の競争が激化、販売テリトリーも重なるので収益の悪い店舗は整理、統合されてしまうのではないか」(各系列店店長)と不安の色も隠さない。
■販売側のデメリット
●各店舗間の競争が激化し、収益の悪い店舗の整理統合が予想される
●人員整理が行われる可能性がある
●全車種扱いになるので、覚えるのが大変。営業マンの知識レベルが心配
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