常識が通じないスーパーカーの世界。そもそも乗る段階からして、「ド、ドアはどうやって開けるんでしょうか?」なんてことはザラだ。そこで数多のスーパーカーをドライブしてきたジャーナリストに、「ドアの難易度がやたらと高いクルマ」を5台選んでもらった。これさえ読めば、スーパーカーだって安心だぜ!
文/三代やよい、写真/McLaren、Lamborghini、Ferrari、TVR
■あまりの難易度に物理スイッチ追加(泣):マクラーレン MP4-12C
マクラーレン・カーズ改め、新生マクラーレン・オートモーティブが2011年にリリースした第1弾のプロダクトがMP4-12C。名門F1コンストラクターが公道を走るために本気で作り上げたスーパーカーとあって、デビュー時は大きなセンセーションを巻き起こした。
2012年に日本へ導入されるやいなや、各自動車メディアは我先にと試乗用の車両を借り出しに走った。しかし、いざ撮影に挑もうとする私たちを悩ませたのが、懸案の「ディへドラルドア」。
まるで猛禽類が大きな翼を持ち上げるように開く特徴的なデザインは、いかにもスーパーカーらしくてカッコイイ!……のだが、肝心の開け方が分からない。MP4-12Cのドアには、物理的なハンドルやスイッチが存在しないのだ。
MP4-12Cは、通常ハンドルがありそうな部分(リヤダクト前方のドア側面にある凹み部分)にセンサーが仕込まれている。そこを指や手の平でさすることでカチリ、とドアロックが解除される仕組みなのだ。
このセンサー部分には一切の目印が存在せず、筆者自身もしばしば「ここかな? いや、こっちか?」とドアパネルを撫で回しさすりまくる“不審者”となったことをよく覚えている。
分かりづらいだけでなく、このセンサーの精度がデリケート過ぎるのか、撫で方・触り方によってはなかなか開いてくれない。
ちなみに、この悩みは万国共通のようで、Googleで「mclaren」と検索すると、「door not opening」といった関連ワードが現れる。このあまりにも画期的なギミックは、同時にあまりにも不便だったため、改良モデルでは物理スイッチが追加される運びとなった。
コメント
コメントの使い方こういう記事、面白いですね。こういったスーパーカーは、車好きなら知っていても開け方までは知らなかったという人が多いはず