2021年2月にマクラーレンのHPH(ハイ・パフォーマンス・ハイブリッド)スーパーカー第一弾として発表された、初の量産PHEV「アルトゥーラ」。2022年11月2日、富士スピードウェイでプロドライバーでもある自動車評論家 松田秀士がアルトゥーラに乗り込んだ!!!
※本稿は2022年11月のものです
文/松田秀士、写真/McLaren、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年12月26日号
■PHEV化に際し徹底されたことが伺える軽量化
マクラーレン初の量産ハイブリッドであるアルトゥーラは7.4kWhのリチウムイオン電池を搭載するPHEVでEVモードも備えていて約31kmをエンジン駆動なしで走ることができる。
価格は3070万円(標準仕様)。高いがP1(約1億)に比べたらかなりこなれた印象だ。
PHEV化はバッテリーとモーターなどを含めたコンポーネンツで約130kgの重量増。スーパースポーツにとって重量増は運動性能に影響するから極力少なくしたい。
そこでアルトゥーラでは新設計の軽量カーボンモノコックを開発。車重は1498kg(DIN)に抑えている。
このモノコックは今後の電動化のキーとなるアーキテクチャーだ。
さらにエンジンも新開発の3L、V6ツインターボ。120度のVバンクの谷間に2個のターボチャージャーを置く。出力は585ps/59.7kgmで720などに搭載されるV8エンジンよりも50kg軽い160kgだ。
トランスミッションとの間にセットされるモーターは95ps/22.9kgmで、エンジンと統合したシステム出力は680ps/73.4kgm。
トランスミッションも新開発の8速DCT。バックをモーターの逆回転としたことで1速ギアを追加しても全長を40mm短縮できた。
アルトゥーラはACCやレーンデパーチャーウォーニング、ハイビームアシストなどのADAS(運転支援機能)を備えていて、これらを含めたエレクトリックプラットフォームをCANからイーサネットに変更することで、ハーネスなどのケーブル長を25%削減し10%以上の軽量化を達成。
つまりマクラーレンはPHEV化に対して徹底的に軽量化を意識している。
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